中央アメリカ ― メキシコ難民危機
国境を越え庇護を求めているのは、非常に弱い立場に置かれた人々です
暴力から逃れる子どもたちをご支援ください

エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラ、ニカラグア等といった中央アメリカから、安全を求めてメキシコ、アメリカ等へ向かう難民・庇護希望者が国境に押し寄せています。暴力・迫害から逃れて国外へ避難を強いられたエルサルバドル、ホンジュラス、グアテマ、メキシコに逃れる難民・庇護希望者の数は115万7100人以上、そしてこの地域では58万人以上が国内で避難を強いられています*。また、2024年3月以降、ハイチでは暴力行為が激化し、政府は非常事態を宣言。学校、病院等が襲撃され、危機的な状況となっています。(* 2024年1月現在)

難民の少女
ニカラグアから逃れ隣国グアテマラで庇護を希望をする少女

今、中米から避難している人々は、ギャングやドラッグ・カルテル等の暴力や迫害から命がけで逃れ、国際的保護を必要とする庇護希望者であり、非常に弱い立場に置かれた人々です。また、大移動する人の中には、子どもたち、特に10代前半の子どもたちが多く含まれ、1人で避難を強いられている子どももいます。
暴力の連鎖が続く中、UNHCRは現地で逃れて来る人々の保護活動を行なっていますが、2020年以降、ハリケーンエタ、ハリケーンイオタによる洪水、そして干ばつといった自然災害がこの地域を襲い、事態は更に悪化。暴力や迫害のみならず、気候変動も避難の大きな要因となり、こうしている今も避難を強いられている人の数は増え続けていますが、彼らを守るための資金が足りません。

「街や店、どこでもギャングが脅迫してくるのです」

ホンジュラスから逃れたミッツィーさん

ミッツィーさん母子
1歳の娘ルイスちゃんを抱いて臨時シェルターに避難するミッツィーさん。ルイスちゃんは脱水症状に苦しんでいます。

メキシコシティに辿りついたミッツィーさんは、夫と3人の子どもを連れてホンジュラスから逃れました。彼女の14歳の娘を連れ去ろうとする街のギャングを拒もうとすると、ミッツィーさんを殺すと脅したのです。「街や店、どこでもギャングが脅迫してくるのです。ギャングは私たちの動きをすべて知っていて、教会に行く時間すら把握しているのです」と彼女は語ります。また、彼女の夫のミゲルさんも、ギャングに脅され“戦争税”と呼ばれる金銭を要求されていました。「仕事帰りに街を歩くと、あの悪い人々が私を呼び止め、服を強奪して私を完全に全裸の状態にしてしまうのです。」

「家が燃えているのを見た時、自分たちが呼ばれたことはわかっていました。私たちの運も尽き、逃げる時だったのです。」ホンジュラスから逃れた16歳の青年は語りました。殺されるかもしれない、ギャングに徴集されるかもしれない、という恐怖に囚われ続けた生活の末、この青年は、安全を求めて中米から北へ歩き、ヒッチハイキングする何千人もの子ども、女性、男性の“大移動”に加わりました。

UNHCRは、現地で支援活動を実施しています

2020年秋、中米を襲ったハリケーンエタから逃れた子どもに新型コロナ感染予防のためのマスクをつけるUNHCR職員

大移動する人々が国境に到着した直後から、UNHCRはメキシコ南部等、現地へスタッフを緊急派遣。地元当局を支援し、現地でさまざまなな援助を提供しています。

また、UNHCRチームは、暴力や迫害、そして自然災害から逃れて来た人々、最も弱い立場に置かれ支援を必要としている人々のために、身元確認と照会プロセスを整備し、支援を拡大。家族用テント等のシェルター、食料、その他の援助物資を提供するとともに、人々のニーズを見極め、パートナー団体とともに、故郷を追われた人々へ、人道援助を実施しています。

UNHCRの援助活動

また、避難してくる人々のニーズに応えるため、UNHCRは国境近辺のインフラを強化し、以下のような緊急支援を実施しています。

  • 逃れて来る人々の安全と尊厳を守る受け入れ体制の強化
  • 救援物資の提供、医療支援、社会心理的支援といった基本的ニーズを満たすための直接的な人道支援
  • シェルターや子どもたちのための安全な場所の確保
  • 気候変動の影響に対する保護と復興の強化
  • ジェンダーに関する差別や迫害をなくすためのコミュニティの育成
  • 子どもたちのための教育支援や、難民・庇護希望者の社会統合を促す自立支援・職業訓練

現地で支援に尽力するUNHCRスタッフからのレポート


UNHCRは1人でも多くの難民・国内避難民を保護するため、活動を続けています

UNHCRの難民支援にご協力ください

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
緒方貞子さんとルワンダ難民
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・ウクライナなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

この記録的な大移動で旅をする人々の中には、乳幼児を連れている家族も多くいます。熱帯のメキシコ・チアパス低地の気温は30度以上に上昇して湿度も高く、スタッフは彼らの健康状態も特に懸念しています。

暴力と迫害が続く中米から逃れる家族を、そして子どもたちを保護するため、皆様のご協力が必要です。
どうぞ今すぐ、ご支援ください。

あなたのご支援でできること

※1ドル=149円換算

毎月1,500円のご寄付
1年で、防水性・耐久性が高い就寝用マットレス 約60枚分
毎月3,000円のご寄付
1年で、手で簡単に持ち運びできる飲料水用バケツ 約80個分
毎月5,000円のご寄付
1年で、避難中でも家族と温かい食事がとれる、調理器具セット 約18家族分
  • 当協会へのご寄付は、寄付金控除(税制上の優遇措置)になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております

*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。

皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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