UNHCRの援助活動にご協力ください

2024年7月26日、アントニオ・グテーレス国連事務総長は「今週、世界は観測史上最も暑い3日間を経験しました」とSNSで発表しました。「地球はますます暑くなり、あらゆる場所のあらゆる人々にとって危険な状態になっています。」

今、世界各地で猛暑や豪雨等が頻発し、国際的に気候変動・異常気象への警告が鳴らされています。そしてその脅威は、紛争や迫害で避難を強いられる難民や国内避難民にも及んでいます。2024年前半にも、イエメンやアフリカ東部、中南米等、様々な地域が自然災害に襲われました。

気候危機によってさらに多くの人々が避難を強いられ、また、すでに避難している人々の生活がより不安定になっています。紛争や迫害、人道危機から逃れてきた難民、国内避難民は、洪水や干ばつにも耐え忍んでいるのです。

気候変動、異常気象に関する3つの重要な数字

アフガニスタンの洪水で被災した子ども
60%
世界で避難を強いられている人々の半数以上、60%が、気候変動の影響を最も受けやすい国に住んでいます。
コンゴ民主共和国の洪水の様子
3200万人
災害や気候関連事象により、3200万人以上*が新たに避難を強いられました。これは過去10年間で最高の数字です。(* 出典;2023 IDMC report)
洪水で水没したスーダンのキャンプ
30%

エチオピアやソマリア、南スーダン等、気候変動の影響を受けやすい国々が、難民の30%を受け入れています。

* 2022年末時点

2024年、難民・国内避難民等を襲った自然災害

ブラジル南部の降水の様子
ブラジル
ブラジル南部で4月、豪雨による大規模な洪水が発生。リオグランデドスル州等で239万人が被災し、63万人が避難を強いられました。被災者には、この地に逃れるベネズエラ人やハイチ人を含む約4万3000人の難民、そして国際的な保護を必要とする人々が含まれています。多くの難民を受け入れるブラジルでは近年、アマゾン地域での干ばつ、ブラジル北東部バイーア州等での大雨等、異常気象が頻発。この深刻な気候危機は、難民や受け入れコミュニティに大きな影響を及ぼしています。
ブルンジの洪水の様子
アフリカ東部
3月、ケニアやソマリア、ブルンジ、タンザニアにて、豪雨、そして大規模な洪水が発生、アフリカ東部では以前より気候危機が続き、2024年1月以降、避難を強いられた人、そしてその受け入れコミュニティの99万人が被災しています。また、7月にはエチオピアで洪水による地滑りが発生し、多数の死傷者が出ました。
この地域では40年以上干ばつが続き、深刻な食料不安に陥っていましたが、度重なる干ばつと洪水といった異常気象が人々の生活、そして命に大きな影響を与えています。
サイクロンによりシェルターを補強するロヒンギャ難民
バングラデシュ
5月下旬、サイクロン・レマルがバングラデシュ及びインドの国境付近に上陸。豪雨と強風、そして沿岸部は洪水に襲われました。多くのロヒンギャ難民が避難生活を送るバングラデシュのコックスバザールも被災。この地域では以前から熱波と水不足で衛生環境の悪化が問題となっており、今回被災した644棟の竹製シェルターの修繕のみならず、水・衛生に関連する伝染病の予防等、一刻も早い対策が必要となっています。
エルサルバドルの干ばつ被害に遭った農地
エルサルバドル
ギャング等による迫害・暴力行為にさらされ、多くの人々が避難を強いられている中米エルサルバドルでは、2023年1月の地震、そしてこの年から長引いているエルニーニョ現象による干ばつと深刻な水不足が、2024年も深刻な被害をもたらしています。こうした気候変動は農業にも甚大な影響を及ぼし、食料不安、経済難のリスクを増大させており、近年では迫害や暴力行為と同様に、この気候危機が避難者数をさらに増加させる大きな要因となっています。
アフガニスタンの洪水の様子
アフガニスタン
5月、北部のバグラン州等、18地域を襲った豪雨により、大規模な洪水が発生。数千の家屋のみならず、橋や道路、学校や保健施設といった公共施設も被害を受けました。また、7月にはカブール州等、中部・東部も大洪水に襲われ、多くの死傷者が出ています。アフガニスタンでは2022年6月に南東部で、さらに2023年10月には西部のヘラート地域で大規模な地震が発生しており、情勢不安、食料不安に加え、深刻な人道危機に陥っています。
イエメンの洪水の様子
イエメン
7月下旬、イエメンのサアダ州で洪水が発生。大雨と雹が避難サイトを襲い、1000棟以上のシェルター、そして人々の生活が破壊されました。イエメンはすでに、何年も続く紛争と近年の中東での情勢悪化、食料不安や飢餓といった人道危機にさらされていますが、世界から注目が集まらず常に援助資金不足にあえいでいます。洪水や干ばつといった異常気象、気候変動の影響も、避難を余儀なくされた人々の生活をさらに困難なものにしています。

動画:アフガニスタンの洪水で被災した家族

気候危機に立ち向かう、UNHCRの援助活動

イエメンの洪水被災地
2024年7月、イエメンの洪水に対し、現地で緊急援助活動を実施するUNHCR職員

保護:自然災害の被害に遭った地域で迅速に救援活動を開始し、シェルター支援、援助物資の提供等を実施。また、気候変動や自然災害の中で避難生活を強いられる人々の権利を保護する。

事前準備:避難を強いられる人々、その受け入れコミュニティの多くが気候変動に脆弱な地域にあるため、異常気象やその他の気候変動による被害に備え、救援物資の備蓄、災害ボランティアの育成等を促進する。

適合:難民キャンプの緑化、クリーンエネルギーの利用等、難民/受け入れコミュニティの自然環境保護と気候変動への適応を援助する。

エンパワーメント:気候変動と避難に直面する人々が、農業や林業、自然環境保護に関する職業訓練・自立支援等、自らの力で解決策を見出すための援助をする。

予防:気候変動によって増加した避難も含め、強制避難、気候変動の根本的な原因に取り組み、将来の強制避難を最小限に抑える施策を援助する。

温室効果ガスの削減:2030年までにUNHCRの二酸化炭素排出量を2010年比で45%削減する。

UNHCRの援助で農業を始めたソマリア難民のフリヤさん。農業は食料不安の改善、強制避難によって生計手段を失った人の自立、地域の緑化に貢献します
気温の上昇や乾燥により山火事が発生したシリアのラタキア村に、UNHCRは水中ポンプ、ソーラーパネル、タンク、貯水池用パイプを設置

「私たちは極端な干ばつ、そして大雨・洪水と闘っています」

ウィリアム・エジャル ケニアダダーブ事務所長

エジャル所長
ケニアのダダーブ難民キャンプは、2024年3月アフリカ東部の洪水の被害に遭いました

UNHCRは、地元政府および様々なパートナー団体と協力し、緊急対応計画を策定しています。これは、洪水と干ばつがもたらす長期的な課題に取り組み、難民と受け入れコミュニティの将来のリスクと脆弱性を最小化するのに役立つ、持続可能な解決策を考え出すことを意味します。私たちが取り組んでいる活動には、水源管理、土地利用計画、気候変動に強いインフラ開発等があげられます。

気候変動は異常気象を引き起こし続けており、残念ながら、ケニアをはじめとするこの地域の国々はその矢面に立たされています。私たちは極端な干ばつ、そして大雨・洪水と闘っています。これは、難民と受け入れコミュニティに大きな影響を与えています。資源が枯渇することによる対立、生計手段の喪失による貧困の増大、さらには洪水による避難につながる可能性もあるのです。

UNHCRの気候変動・異常気象への取り組みと、避難を強いられた人々を守り、支える活動をご支援ください。

洪水や干ばつ、そして自然災害で気候危機が深刻化している今、より多くの人々が強制避難を強いられています。難民、国内避難民、そしてその受け入れコミュニティは、急変する環境の最前線で生きることを強いられ、地球温暖化に最も責任のない人々が、最も大きな打撃を受けているのです。UNHCRは、こうした気候変動・異常気象による緊急事態に現場で対応し、すべてを失った難民、国内避難民の援助を続けていくと共に、被災したコミュニティと協力し、厳しい自然環境への備えと対応を強化しています。
気候危機・難民危機に立ち向かうUNHCRの活動を、どうぞご支援ください。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
緒方貞子さんとルワンダ難民
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・ウクライナなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

あなたのご支援でできること

> 毎月のご支援の増額のお申し込みはこちら

シェルターに避難するアフガニスタンの母子
毎月2,000円のご寄付

アフガニスタンの洪水で被災したシェルターを修繕するための防水ビニールシート 約14枚

毎月3,500円のご寄付

ブラジルの洪水被害に遭った家族のための3か月分の清潔な飲料水 約3家族分

農場に立つ女性たち
毎月5,500円のご寄付

南スーダンに逃れる難民家族のための、1エーカー分の土地の農業支援 約6家族分

※1年続けていただいた場合。1ドル=149円換算

※活動地域や為替により経費は変動するため、上記の金額は目安です。 皆様からのご支援は、気候変動への対策を含む、資金を最も必要とするプロジェクトに活用させていただきます。

  • 当協会へのご寄付は、寄付金控除(税制上の優遇措置)になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております
皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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