アフリカ コンゴ民主共和国・ブルンジ
世界から忘れ去られた難民危機

「難民」と聞くと、シリアやウクライナのことを思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、実はアフリカ中部に、世界から忘れ去られている深刻な難民危機があるのです。

「世界から忘れ去られた難民危機」世界の関心が向けられず、孤立し追いつめられる難民

タンザニア国境沿いのタンガニーカ湖に押し寄せたブルンジ難民。数日後、難民キャンプへ移送されたが、過密状態となったためコレラが発生するなど劣悪な環境となった

アフリカ コンゴ民主共和国・ブルンジ共和国の地図

コンゴ民主共和国では1996年に紛争が始まってすでに20年以上。周辺国と武装勢力が複雑に関与し、今も東部等で武力衝突が激化の一途を辿っています。2024年6月現在、108万7500人以上が難民・庇護希望者となって国外で避難を強いられています。また、2024年には国内避難民が世界で4番目に多いことが発表され、2024年8月現在、約730万人が国内で故郷を追われています。

ブルンジ共和国は、80%以上の人が貧困ライン以下の生活をしている最貧国の一つです。2015年に政情不安が高まり、政府による市民への激しい弾圧と暴力が拡大。2024年7月現在、25万6800人以上が難民となり、国外での避難生活を強いられています。 ※1日当たり1.9ドル未満で生活する人々の層

エムポックス(MPOX)の発生につきまして

国内避難民キャンプ
コンゴ民主共和国内のキャンプにて、UNHCR職員からエムポックスについての指導を受ける国内避難民の女性

2024年8月、世界保健機関(WHO)は、アフリカにて感染症エムポックス(MPOX)が発生したことを発表しました。十数か国で感染者が確認されていますが、その多くはコンゴ民主共和国で確認されています。9月15日時点で2万9000人以上の感染者が報告されており、緊急支援が急務です。
難民・国内避難民の感染も確認されており、UNHCRは避難キャンプ等での救援活動を実施していますが、情勢が不安定な南キヴ州等での感染状況は、さらに深刻です。混雑した学校や教会、テントで暮らす家族からは、病気の症状が出ても隔離する場所がない、といった悲痛な訴えもあります。
UNHCRはパートナー団体や地元の保健当局、WHO等と連携し、難民キャンプといった公共スペースでの手洗いの強化やこの感染症に関する情報共有の徹底化といった衛生/保健対策、スクリーニングを含む感染予防対策等、救援活動を実施、感染の拡大を阻止するため、尽力しています。

どうぞ知ってください。
暴力と迫害で避難を強いられる人々のことを。

ブルンジの自宅に武装した男らが押し入り、性的暴力を受けた女性。彼らが去った後、5歳の息子が殺害されているのを見つけた

「今日も誰かが殺されています」

両国に共通するのは、民間人への無差別な拷問や殺戮、ジェンダーに基づく暴力(GBV:Gender Based Violence)などの残忍な行為が行われ、幼い子どもを含む普通の市民が癒しがたい傷を負っていることです。しかしこの難民危機に対し国際社会の関心は薄く、支援が集まっていません。UNHCRは懸命に援助活動にあたっていますが、アフリカの危機は世界で報道されることは少なく、深刻な資金不足により活動は制限され、必要な支援の多くを断念せざるを得ない状況です。

【動画】コンゴ民主共和国:不安な未来に直面する人々

「夫は行方不明、赤ん坊だった娘は病気で亡くなりました」
(ノエラさん/45歳 コンゴ難民)

「今から十数年以上前に夫は武装勢力に連れ去られ行方不明になりました。当時妊娠中だった私はコンゴから急いで避難し、タンザニアで保護されました。その後長女は病気で亡くなりました。今は3人の子を抱え、UNHCRの支援に頼るほかありません。“お金がない時には食事をしない”という生活です。毎日どうやって家族を食べさせようか、そればかり考えています。」

コンゴやブルンジのみならず、多くの国の難民危機において、故郷を追われる人々の中の女性・子どもの割合は大きく、ジェンダーに基づく暴力(Gender-based Violence)、シングルマザー家庭の貧困といった問題も深刻化しています。

活動資金が大幅に不足しています

この地域の人道危機に対する活動資金は恒常的に不足しているため、現地ではまず人命救助のために必要な最低限の活動に資金が当てられています。
しかし、教育や難民の心のケアなどの活動を行うことは難しく、危機的な状況です。

「あなたは見捨てられていません」今こそ、伝えるときです

避難先で初めての夜を迎えようとしているブルンジ難民の子どもたち

どうか、忘れないでほしいのです。この瞬間にも、コンゴやブルンジで、多くの人々が暴力によって家を追われていることを。劣悪な環境に置かれながら、助けを求める術もない人々がいることを。そして、あなたの力を今まさに必要としていることを。

「あなたの支援は、難民の人生を変え、希望を灯します。あなたには、誰かの人生を変える力があるのです」
リディヤ・ヤキシンバ職員(UNHCRタンザニア・カスル事務所)


彼らをさらに追いつめているのは、国際社会の無関心です。UNHCRは今、世界から忘れられ孤立を深めている難民への支援を呼びかけます。「あなたは見捨てられていません」。今こそ、UNHCRと一緒にそのメッセージを伝えてください。

UNHCRの援助活動

  • 厳しい難民キャンプでの生活に不可欠な物資の供給(水、毛布、衛生用品、調理器具など)
  • 難民キャンプの設備の整備や改修、運営(トイレ、給水設備、教室など)
  • 難民の子どもたちへの初等教育の機会や教科書、文房具などの提供
  • 性的暴力の被害者など、心に傷を持つ人へのカウンセリングなど精神的サポート
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
緒方貞子さんとルワンダ難民
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・ウクライナなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

あなたのご支援でできること

※1ドル=149円換算

毎月1,500円のご寄付
1年で、マラリア等の感染症対策に不可欠な蚊帳 約60家族分
毎月3,500円のご寄付
年で、暗闇の中でも食事や勉強ができるソーラーランプ 約9個分
毎月5,000円のご寄付
1年で、避難中でも家族と温かい食事がとれる、調理器具セット 約18家族分
  • 当協会へのご寄付は、寄付金控除(税制上の優遇措置)になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております

*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。

皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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