命を守るために。
緊急事態の中で生きる母と子を、UNHCRと一緒に支えてください。

世界では、今まさにこうしている間にも、戦争や迫害等により、多くの人々が避難を余儀なくされています。ウクライナの戦争から逃れる難民は、圧倒的に女性と子どもです。

今、ウクライナだけでなく、世界で絶え間なく戦闘や災害など緊急事態が起こり、避難を強いられる人々が増え続けています。2022年、UNHCRによる緊急対応チームをはじめとする緊急要員派遣は54か国で492回を記録しました。

難民の逃れた先には、必ずUNHCRがいます。
緊急事態の発生直後に出動し、家を追われた人々を保護し、命と尊厳を守るのがUNHCRです。

避難を強いられる人の数が1億1000万人を突破し、資金不足が深刻な中でもUNHCRが活動を続けてこられたのは、皆様のご支援があればこそです。命がけで逃れ、水や食料、物資も不足し一刻を争う現場で母親と子どもたちを取り残さないために、どうぞご支援ください。

緊急事態・追いつめられる母親と子どもたち

私たちの町に、クラスター爆弾が落ちた

出産を間近に控えたある晩、私たちの町にクラスター爆弾が落とされました。爆弾が次々に爆発した様子は、決して忘れられません。忘れるなんて不可能です。次の朝、私たちが外に出ると、隣人の家はなくなっており、住んでいた人はみな亡くなってしまいました。その日のうちに、私たちはバッグに荷物を詰めて家を出たのです。

ウクライナ・ルハンシク州からリヴィウに避難したオルガさん(32歳)、アラさん(12歳)、イゴルちゃん(4か月)

ウクライナでは…

2022年2月にロシアによる侵攻が始まり、激しい爆撃で街は破壊され、多の市民が死亡し甚大な被害を受けています。約508万人が国内で、約626万人が世界各地で避難を強いられており*、その大部分は女性と子どもです。*2023年7月現在

爆撃に遭ったウクライナの様子

心臓病の息子と共に

ファジェルさん(48歳)は2012年、家族とシリアからヨルダンへ避難してきました。しかし、2017年に夫が他界。今は息子のヌールくん(9歳)と2人で支えあいながら避難生活を送っています。ヌールくんには心臓に持病があり、UNHCRからの現金給付支援で毎日の生活費と家賃を支払っています。ヌールくんは学校でいじめを受け、2か月ほど休んでいます。涙ぐむ母親のファジェルさんの頬を、自分の指で黙ってぬぐったヌールくん。将来は、人々を無料で診察できるようなお医者さんか、船の船長になりたいと夢を描いています。

シリアでは…

2011年から10年以上の内戦に苦しむシリア。680万人が国内で避難し、540万人が国外へ逃れています*。長期化する避難生活の中、多くの難民が貧困に苦しんでいます。2023年2月のトルコ・シリア大地震では多くの人が避難先で被災し、再び家を失いさらに困窮しています。 * 2023年7月現在

水に沈んだ故郷の村

ネリティエさんと3人の子どもたちは、カヌーで南スーダン・ベンティウにたどり着いたばかりです。強烈な日差しの中、3時間の避難の旅でした。かつては乾いた土地だった故郷は洪水で水没。薪拾いもカヌーではるか遠方まで漕ぐ必要があり、危険で性暴力に遭う恐れもありました。故郷の村も暮らしもすべて押し流されてしまった今、避難する以外に道はなかったのです。

南スーダンでは…

2011年の独立後も不安定で、2013年の激しい紛争で数百万人が家を追われました。貧困や社会インフラの欠如など問題が山積する中、洪水が全土で発生し多くの住居が水没しています。隣国スーダンの紛争により、不安定な故郷へ帰還を余儀なくされた人々も困窮しています。

洞穴に追いつめられて

ファティマさん*はアフガニスタン・バーミヤン渓谷の洞穴で幼い子どもたち3人と暮らしています。戦闘を逃れ2年前に避難し、故郷へ戻ってきましたが、家を借りるお金はないため、この小さな洞穴に住むしかなかったのです。洞穴では夏は昼夜を問わずサソリが出て子どもたちを脅かし、冬は極寒となる過酷な暮らしです。今、一家はUNHCRからの現金給付支援を受けて生活しています。*保護上の理由により仮名にしています

アフガニスタンでは…

40年以上の紛争や干ばつのため、世界で最も多くの難民を生み出してきた国の1つです。2021年のタリバンの復権により情勢が緊迫し、多くの人々が避難を強いられました。人々は破壊された家の再建や貧困、食料不足、女性の教育・就労の制限等の問題に直面しています。

「前へ進み続けて」

イクラーンさん(26歳)は、2023年にソマリア・ラスカヌードで戦闘が起こった際、タクシーの運転手だった夫を亡くしました。激しい暴力により約10万人が隣国エチオピアへ逃れ、妊娠7か月だったイクラーンさんも、6歳と3歳の子どもたちを抱えて必死で避難しました。難民居住地で暮らし、幼い子どもたちと生まれてくる赤ちゃんに明るい未来がくることを夢見る彼女は言います。「世界中のシングルマザーたちには、過去を振り返らないで、前を向いて進み続けてほしいです」。

ソマリアでは…

30年近くの紛争と過激派組織などによるテロや暴力のため、極めて不安定な情勢です。また、過去40年で最悪の干ばつによる食料難や集中豪雨による洪水のため、多くの人々が国内やエチオピア、イエメンなど同じく気候変動や紛争に苦しむ国々に避難を強いられています。

UNHCRの救援活動

UNHCRは、最も弱い立場にある人々へ優先的に物資の提供や現金給付などの支援を行い、国境付近などで保護活動を強化しているほか、以下のような支援を行っています。

  • 難民登録:一人ひとりの脆弱性やニーズを登録・把握し必要な支援につなげる
  • 性暴力の予防、被害者支援:被害者が子どもと避難できるシェルターの設置や保護体制の構築
  • 離散した家族の迅速な再会支援
  • 難民向けのホットライン(24時間対応)
  • 「子どもにやさしいスペース」や保育所等の設置:母と子が安心して過ごせる場所や、母親が働けるように子どもの預け先を提供  など

"Stay and Deliver"
あなたがニュースで難民危機を目にした時、すでにUNHCRは現場にいます。
難民のそばにとどまり、支援を届けるために。

UNHCR緊急対応・保全・供給局 緊急準備・要員配備・パートナーシップ部門 チーフ 入山由紀子

入山UNHCR職員
コロンビアで国内避難民の子どもたちと。現地視察を終え見送りに来てくれた少女のサンダルがこわれ修理しているところ

戦争、迫害、大地震や洪水などの自然災害…。皆様は、世界の「緊急事態」と聞くと、どの国のどんな危機を思い浮かべるでしょうか。私が所属する「緊急対応・保安・供給局」は、UNHCRが緊急事態への対応を迅速かつ安全に実施できるようサポートする部署です。

UNHCRの緊急対応体制は、第8代国連難民高等弁務官の緒方貞子さんにより、1990年代初めに構築されました。UNHCRは緊急対応への準備に非常に力を入れており、「緊急事態が起こる前にどれだけ的確に準備し、どれだけ早く物資や人員を現場に送れるか」を重視しています。緊急事態が発生すると72時間以内に出動する、緊急対応チーム(Emergency Response Team - ERT)も、緒方さんの時代に始まりました。

救援物資を受け取る人々
スーダンの紛争から逃れた人々への救援活動の様子

2022年にウクライナ危機が発生した時には、総務から難民の保護、物資の購入担当に至るまで、ERTとしてかなりの人員を送りこみました。今年のスーダン危機では、既存のキャンプだけでは足りず新たな難民キャンプの設営が必要になり、「シェルターの専門家」「フランス語に堪能な人」等の要請がありました。

UNHCRの指針であり、よく使う言葉に「Stay and deliver」(難民のそばにとどまり、支援を届ける)があります。UNHCRにとって、「どんな時も現場にいる」ことは重要です。「国境付近へ行けばUNHCR職員がいる」というほど現場にいるため、人々との対話が多くネットワークもでき、状況の分析にも役立ちます。困難な最前線に常にいるので、地域や政府との信頼関係があります。

私にとって、一番印象に残っている緊急事態は、昨年まで副代表として活動していた「ミャンマー危機」です。当時、武力紛争の中心地となったカヤ州に住んでいたアイさん(22歳)*は、妊娠中の身で避難を強いられました。避難先で娘を出産しましたが、その翌日に町に迫撃砲が着弾。生後わずか1日の娘を抱いて逃げたアイさんは、「もう死ぬと思いました。町のいたるところで迫撃砲が撃たれ、本当に恐ろしかったです」と言います。ようやく安全な場所にたどり着いたアイさんと家族は、UNHCRから毛布や支援物資を受け取り、家を借りることができました。*保護上の理由により仮名にしています

アイさん
「赤ちゃんの体は良くなりました。日用品を受け取りうれしいです。特に赤ちゃんに役立っていて、感謝しています」とアイさん

アイさんのように、避難を強いられる人々の多くは女性と子どもです。夫を殺されたり離ればなれになっている女性や、1人で幼い子どもを何人も抱えている女性も多くみられ、とても弱い立場にあります。性暴力の被害に遭ったり、プライバシーのない混雑した避難場所での生活を強いられ、貧困により子どもを働かせざるを得ない母親や、性産業に従事するしかないほど追いつめられる母親もいます。

残念なことに、2023年は緊急事態が頻発し、支援が必要な地域も広範囲にわたり、すでに脆弱な状態にある女性や子どもたちが一層厳しい状況に置かれています。また、ニュースでは報じられなくても、報道されている危機以上に劣悪な状況に置かれ、助けを必要としている「見過ごされた」難民・国内避難民も多くいるのが現実です。母親や子どもたちをはじめ、支援を必要とする人々に支援を届け、命を守るために、どうぞ寛大なご協力をいただきますよう、心よりお願い申し上げます。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
緒方貞子さんとルワンダ難民
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・ウクライナなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

UNHCRの緊急対応体制

緊急対応チーム訓練の様子
訓練での、地雷により負傷した人の応急処置というシミュレーション。ほかに、安全の確保やメディアへの対応など様々な状況の訓練がある

「UNHCRの緊急対応体制は、第8代国連難民高等弁務官の緒方貞子さんにより、1990年代初めに構築され、70年以上積みあげてきた知識と経験に基づく、強固な緊急対応のメカニズムが確立されています。UNHCRは緊急対応への準備に非常に力を入れており、「緊急事態が起こる前にどれだけ的確に準備し、どれだけ早く物資や人員を現場に送れるか」を重視しています。準備ができていれば、それだけ支援開始を早めることができます。
緊急事態が発生すると72時間以内に出動する、緊急対応チーム(Emergency Response Team - ERT)には常に100人~150人の要員が登録されており、みな緊急事態に対応するための訓練を受けています。ERTのメンバーは全世界から選ばれ、様々なバックグラウンドや専門性を持っています。最前線へ「適材適所」の人を送る「適切な場所へ、適切な人を、適切な時に」というのが私たちチームのスローガンです。」
(入山由紀子 UNHCR緊急対応・保全・供給局緊急準備・要員配備・パートナーシップ部門 チーフ 談)

母親と子どもたちへ、届けたい。
家を追われた母親と子どもたちを守るために、UNHCRと一緒に支援を届けませんか。

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「冷え込む夜でも安心」

くるまって眠れる毛布

10,000円(約2家族分)、毎月1,500円(約3家族分)

固く冷たい床や地面に、直接赤ちゃんを寝かせずにすむように。「おやすみなさい」と、子どもにかけてあげられるように。UNHCRの毛布が、避難してきたばかりの母子の大きな安心になります。

シリア・アレッポからレバノン・ベッカー高原の非公式難民居住地に避難している、アマルさんと娘のアマニちゃん(3歳)。

「雨や風から家族を守る」

テントや壊れた家を覆う防水シート

12,000円(約6枚分)、毎月2,000円(約12枚分)

屋根や壁を覆うことで、雨や風、吹雪、砂嵐など過酷な環境から家族を守ります。また、戦闘で破壊された家の壁や窓の修復等にも多く使われ、紛争下で暮らす人々や避難生活を送る人々にも広く配布される物資です。

ミャンマーからバングラデシュへ避難したロヒンギャ難民のアリンさん(22歳)。「私は2人の子を、夫は義母を背負って逃げました。他の物は何も持ってこれませんでした」。一家はUNHCRの防水シートや竹などで作ったシェルターで暮らしています。

「電気がなくても大丈夫」

暗闇を照らすソーラーランタン

15,000円(約5個分)、毎月3,000円(約12個分)

暗闇の中、性犯罪の恐れもあり外のトイレに行けない…。このソーラーランタンが、母親と子どもたちの明るい光になります。太陽光で発電し、携帯電話の充電も可能で、世界中の難民の家族を明るく照らしています。

シ・ミ・サルさんは、家族とミャンマー北東部、カチン州の村で避難生活を送っています。今暮らしているシェルターは、UNHCRとパートナー団体が建設したもの。UNHCRのソーラーランタンも掛けられ、日没後も安心です。

「温かい食事を家族に作りたい」

調理器具と水くみ容器

25,000円(約7セット分)、毎月5,000円(約17セット分)

着の身着のまま逃れ所持品をすべて失った人々に、水くみ容器と調理器具を提供することは、清潔な水を飲み温かい食事を食べ、健康を取り戻す大切な一歩になります。

2023年4月、ソマリアの戦闘を逃れ、4人の子どもを連れてエチオピアに避難してきたシングルマザーのアミノさん(40歳)。生活は厳しく1日1食だけですが、子どもたちに食事を作っています。

「命を守るライフライン」

必要な物を、必要な時に。現金給付支援

43,000円(約5人分)、毎月10.000円(約14人分)

*ウクライナの場合(2023年)

様々な問題に直面する難民の家族を、現金給付による支援が支えます。家庭により異なるニーズに即座に対応でき、難民の命と尊厳を守るために、最も効果的で重要な支援の1つです。

ウクライナ・ドネツク州に親族7人で避難するアンゼラさん(24歳)と姪のリリヤちゃん(4歳)。爆撃で家を失い職探しも困難で、毛布などの物資とともに、現金給付支援を受けて生活しています。

「緊急事態に不可欠」

命を守る家族用テント

67,000円(約1張分)、毎月12,000円(約2張分)

過酷な天候から家族を守り、安心して過ごし眠ることができるように。プライバシーを保ち、心身の健康を守れるように。世界各地の最前線で、UNHCRの家族用テントが多くの命を守っています。

3年前からシリア北東部で避難生活を送っていたシャムセさんと家族は、2023年2月の大地震で被災。再び家を失った一家は、UNHCRから提供された家族用テントで暮らしています。

※1ドル=144円換算、毎月ご寄付は1年続けていただいた場合

  • 当協会へのご寄付は、寄付金控除(税制上の優遇措置)になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております

*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。

トルコ・シリア大地震で援助活動をするUNHCR職員

いのちを、守りたい。

難民の母親たちが、逃れてきた理由をそう語ります。
激しい戦闘や迫害、突然の災害など想像を絶するような困難の中で、UNHCRは、母親たちの勇気と強さ、献身的な愛情を目の当たりにしてきました。
「子どもたちの命を守りたい」。
「安全な環境で、幸せに育ってほしい」。
どの国の母親も、難民の母親も、みな願いは同じです。
どうぞ、あなたの力を貸してください。
かけがえのない命を守り、母親たちの希望をつなぐために。

皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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