紛争や迫害により故郷を追われた人の数は1億人以上

2023年末、紛争や迫害によって移動を強いられた人は1億1730万人*に達しました。12年連続の増加となり、その数は10年前と比べ約2倍となりました。この驚異的な数は、スーダンでの武力闘争の勃発、ウクライナでの戦争やシリア紛争の長期化、そしてコンゴ民主共和国、ミャンマー等の国々での暴力の高まりによるものです。* Global Trends Report 2023より

また、2024年に入ってからもスーダン情勢のさらなる悪化やアフリカ東部、ブラジル、アフガニスタンの洪水等により増加し、2024年5月現在、世界全体の強制移動の数は1億2000万人*に達しました。日本の人口とほぼ同じ人数が世界各地で避難を強いられていることになります。* 2024年6月13日UNHCRプレスリリースより
紛争、迫害のみならず、気候変動による干ばつや豪雨等の自然災害、食料難等、さまざまな人道危機によって多くの人々が故郷を追われている中、今ほど支援が必要とされる時代はありません。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、この状況に対し、世界各地で救援活動を行っていますが、資金が圧倒的に足りない状況が続いています。皆様からのご寄付によって多くの命が助かります。彼らを支えるため、ぜひ毎月のご支援で「国連難民サポーター」になっていただけませんか?

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難民とは?国内避難民とは?
紛争や迫害、人道危機により故郷を追われた人々

* UNHCR Global Trends Report 2023より

約4340万人の難民

ウクライナからの難民の母子
ウクライナのマリウポリからポーランドに逃れたオレナさん(33歳)とアーテム君(7歳)の親子。2024年に入ってからも攻撃は激化しており、多くの人々が引き続き避難を強いられています

「難民(Refugees)」とは?
紛争に巻き込まれたり、宗教や人種、政治的意見といったさまざまな理由で迫害を受けるなど、生命の安全を脅かされ、故郷を越えて他国に逃れなければならなかった人々のことを「難民」と言います。

2023年時点の難民、その他の国際保護を必要としている人の合計は約4340万人。10年前と比較すると、その数は3倍に増加しました。アフガニスタン(640万人)、シリア(640万人)、ベネズエラ(610万人)、ウクライナ(600万人)といった国々の他、スーダンからの難民も急増しています。また、最も難民を受け入れている国々は、イラン(380万人)、トルコ(330万人)、コロンビア(290万人)、ドイツ(260万人)、パキスタン(170万人)です。しかし、厳しい情勢が続く中、2023年には約610万人(難民100万人、国内避難民510万人)が帰還民として故郷へ戻ることができました。故郷で再出発を果たそうとするこの帰還民も、UNHCRの支援対象者です。

* Global Trends Reportは国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が支援するパレスチナ難民600万人を含みます

約6830万人の国内避難民

スーダンの国内避難民
2023年11月、シェルターとなったスーダン国内の学校。スーダンは避難者数の急増のみならず、食料不安による飢餓の危機にも瀕しています

「国内避難民(Internally Displaced Persons)」とは?
国境を越えていないことから、国際条約で難民として保護されない人々のことです。しかし、難民と国内避難民の苦境は同質であることが多いので、共通の支援対策を執ることが最も現実的であることも多いのです。
1990年代、国外へ逃れられない人命を守るため、国内避難民を保護し支援することを決断したのは、日本人で初めて国連難民高等弁務官を務めた故・緒方貞子さんです。

国内避難民の数は暴力行為や紛争の激化によって2023年も急増の一途をたどっており、前年から10%増加しました。これはスーダンの紛争が大きな要因の1つとなっています。スーダン(910万人)、シリア(720万人)、コロンビア(690万人)、コンゴ民主共和国(630万人)、イエメン(450万人)が主な国内避難民の出身国となっている他、情勢不安が悪化するミャンマーやソマリアでも国内避難民が急増しています。また、2023年は770万人が気候変動、自然災害により国内で避難を強いられました。

約440万人の無国籍者

無国籍だったモンテネグロの一家
旧ユーゴスラビアのモンテネグロにて、25年の格闘の末、ついに法的地位を得て国籍を獲得した一家

「無国籍者(Stateless)」とは?
無国籍であるということは、保健、教育、就職、移動の自由といった基本的な権利を奪うだけではなく、銀行口座を開設したり、携帯電話のSIMカードを購入したりすることすらできないことを意味し、どの国によっても国民と認められない人々のことを意味します。
無国籍という状態が生じる原因にはさまざまなものがあり、その中には、少数派の人々に対する国籍法上の差別がある場合、旧ソ連解体のように国家が独立(国家承継)した際にそれまでの住民の一部が国民として受け入れられない場合、そして関係国の法(両親や出生国の国籍法等)が対立し相容れない場合等が含まれます。

2023年末時点の無国籍者の数は440万人。なお、すべての国がデータを持って報告している訳ではないので、実際の人数はこれより多いと考えられています。しかし、ケニアやカザフスタン、フィリピン等、無国籍を撲滅させるためのアクションを起こす国々も多くあります。2023年、無国籍の解消に向け、3万2200人が市民権を獲得し、新たな生活を切り開いています。

約690万人の庇護希望者

中米エルサルバドルから逃れた少年たち
エルサルバドルでのギャングによる迫害と暴力から逃れ、近隣国ベリーズで庇護を希望する少年たち。中米や南米ベネズエラ等、その多くは庇護を求めて、危険な避難を強いられています

「庇護希望者(Asylum Seekers)」とは?
自身の故郷から逃れて他の国にたどり着き、その国で庇護を希望する人々のことを言います。
UNHCRは、庇護希望者がより適切な援助と保護を確実に享受することができるように、各国に対して、その権利を守るための法律を整備する提言をします。庇護されると、難民認定や法的保護、援助物資を受けることにつながります。

2023年、個人による新規の庇護希望者は360万件登録されました。これは前年比で40%の増加です。難民資格を与えられた人数は15%増の82万3800人となります。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
緒方貞子さんとルワンダ難民
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・ウクライナなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

動画:難民とは?移民とは?

難民とは、紛争や迫害等によって国を逃れ、故郷での状況が安定するまでは安全に帰国できず、国際的な保護を必要とする人々です。移民とは、より良い生活を求めて自発的に国を離れますが、国へ戻ったとしても、戻った国で政府の保護を受けることができる人々です。

UNHCRの支援活動

緊急支援
紛争や内戦などの緊急時において、UNHCRは、いかなるとき、いかなる場所でも、高度に訓練された緊急支援チームを72時間以内に現地に派遣。逃れてきた人々の命を守るための保護・援助活動を開始し、世界各地にある備蓄倉庫からテント、毛布、水、食料、医療、生活用品などの援助物資を供給します。
自立支援
紛争や迫害で故郷を追われた人々の避難生活は十数年に及ぶこともあります。長い避難生活の間、学校に行けなくなってしまった子どもや、家族を失い社会的・経済的弱者となってしまった女性、故郷に戻れず生計を立てられなくなった人々のために教育支援・女性支援・自立支援を実施します。

難民を支えるため、ご支援ください

スーダンでの援助活動の様子
スーダン危機によって南スーダンへの帰還を強いられた親子に救援物資を提供するUNHCR職員

避難を強いられる人の約40%は18歳未満の子どもです。また、故郷から避難を余儀なくされた人々の75%は、低中所得国とされている、世界でも豊かでない国々が受け入れています。そして、これらの国々は気候変動の影響を最も受ける可能性が高いのです。フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「これらの厳しい現実、数字の増加の裏側には、数えきれないほどの悲劇があります」と訴えます。
皆様のご寄付は、避難を強いられた人々を援助するUNHCRにとって、なくてはならないご支援です。継続的なご支援を続けていただくことにより、迅速な緊急援助、水・食料の安定した供給や、長期の資金計画が必要な学校教育や難民への職業訓練や自立支援などを進めることが可能となるのです。故郷を追われ難民となった人たちは、極限の状況下で皆様のご支援を待っています。
世界各地に平和が戻り、全ての難民・国内避難民等が「故郷」と呼べる場所で幸せに暮らせるようになるまで、これからも一人でも多くの方に難民支援の輪に加わっていただき、継続的に支えていただきますよう、お願い申し上げます。

故郷を追われた人々の命と希望を、私たちと一緒に支えてください

  • 当協会へのご寄付は、寄付金控除(税制上の優遇措置)になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております

*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。

あなたのご支援でできること

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※1ドル=149円換算

毎月1,500円のご寄付

1年で、マラリア等の感染症対策に不可欠な蚊帳 約74家族分

毎月3,000円のご寄付
1年で、清潔な水を運ぶためのプラスチック製バケツ 約85個分
毎月5,000円のご寄付
1年で、暗闇の中でも生活できる携帯充電器付きソーラーランプ 約37個分
皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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