ウクライナからの難民、国内避難民に支援を

2022年2月24日、ウクライナへの大規模な侵攻開始。
戦争勃発から2年半以上が経つ今も攻撃は激しさを増し、ウクライナ各地で繰り広げられるミサイル等の攻撃によって生活は打ち砕かれ、愛する人々と離ればなれになり、国内外で避難を強いられています。ウクライナ国外に逃れる難民は672万人以上*。そして、ウクライナ国内では366万人以上**が故郷を追われています*。また、人々は激しい攻撃のみならず、地雷や不発弾の危険にさらされ、多くの子どもたちが保護を受けることができず、教育機会も失う危機に陥っています。(*2024年9月現在 **2024年8月現在)

ウクライナの戦争開始から2年半
今も人々は攻撃に耐え、支援を必要としています

キーウの小児病院等に激しいミサイル攻撃

ミサイル攻撃を受けたキーウの様子

激動する世界情勢の中でウクライナへの関心は薄れつつありますが、2024年に入ってからもウクライナ各地で激しい攻撃によって多数の死者・負傷者が出ています。7月8日朝、ウクライナのキーウ、ドニプロ等を標的にしたロシアのミサイル攻撃により、キーウの小児病院を含む建物やインフラが大きな被害を受け、多くの民間人が死傷したことが報告されています。
UNHCRは、甚大な被害を受けた小児病院付近の家屋に住む家族に緊急シェルターキットを手配。また、心理社会的支援、法的支援、現金給付支援も実施します。

加えて、8月26日以降、複数都市に大規模な攻撃が展開され、多くの家々、インフラが破壊されたのみならず、多数の犠牲者が出ています。UNHCRは現地にとどまり、パートナー団体と共に、救援物資の提供、IDの再発行、現金給付支援、心理社会的サポート等、ウクライナの人々への救援活動を続けています。

各地で繰り広げられる攻撃はこうしている今も多くのウクライナの人々に大きな苦悩を与えているにもかかわらず、以前のように大きく報じられることはなくなりました。

どうか、忘れないでください。ウクライナでは今でも各地で砲弾が降り注ぎ、多くの民間人の命と生活が脅かされ、そして支援を必要としていることを。

動画:キーウ市で救援活動を続行しています

戦争に耐える2年半
ウクライナの人々が直面する危機

爆撃で負傷し、避難を決意
エフゲーニ君は爆撃によりウクライナ東部ルハンシクにある家から逃れ、UNHCRの集合施設で家族と共に避難生活を送っています。攻撃の間、シェルターとしていた家の地下室に家族は隠れていましたが、祖母マリアさんが井戸に家畜のための水を汲みに行った際に爆撃に遭い、足に全治2か月の重傷を負いました。「その時、避難しようと決意しました」と母親のナディアさんは語ります。家族はUNHCRの保護を受けましたが、マリアさんは爆風で聴力が損なわれ、今でも耳に障がいが残っています。
世界大戦、飢饉、そして再びの戦争
「第二次世界大戦、ホロドモールの大飢饉を経験し、そして今、この侵攻を経験しています」と、チョルノービリの立ち入り禁止区域からほど近い小さな村にある古い木造の家で、ハリナさん(97歳)は言います。2022年2月、避難を強いられた彼女はこの地が奪還された後、夫と兄弟が眠るこの故郷に娘のナディアさんたちと帰還しましたが、家は破壊されていました。2023年春、UNHCRは彼女の家を修繕。ナディアさんは「問題を放っておかない国際機関があるのは良いことです」と語りました。
2014年、2022年 - 2度目の避難
オレーナさん(右)は2014年、ロシアによるドネツクの占領により、ウクライナ首都キーウへの避難を強いられました。そして2022年春、再び戦闘から逃れざるを得なくなり、今は娘のサラちゃんと共にスイスで避難生活を送っています。オレーナさんは医師としてのキャリアを再開することを熱望しており、現在はスイス当局の保護を受け、現地の言葉を熱心に学びながら、早期の社会復帰を目指しています。
ウクライナ国外に避難する難民の約80%は女性と子どもです。UNHCRは彼女たちを支える援助にこれからも注力していきます。
2024年8月、ドネツクの爆撃から避難
「荷造りに40分しかありませんでした。バスが到着し、必要なものだけ持って行くよう言われたのです。」オレクサンドルさん一家は、当局からの避難命令で、砲撃の音が日々鳴り響くドネツクの町から避難しました。3人の幼い息子を連れて逃げる以外に選択肢はなかったのです。「両親にさよならも言えず、泣きながら去りました。」8月21日現在、ドネツクでは約2600人の子どもを含む推定5万3700人以上が、激しい敵対行為が展開されている地域で暮らしています。今も激しい攻撃に耐える彼らに命を守る援助が急務です。

UNHCRのウクライナ緊急援助活動

2022年以降、UNHCRはパートナー団体と協力し、戦争から逃れてきた人々や国内外で避難生活を送る人々を援助するため、急速に活動を拡大してきました。2023年、UNHCRはウクライナ国内で260万人以上に援助を提供しています。

2023年、UNHCRがウクライナ国内で提供した援助

UNHCRの支援を受けた人263万人 保護サービス148万人 必需品の供給57万5273人 現金給付支援89万9039人 シェルター/住宅支援24万7160人 集合施設でのマルチセクター支援9万9008人

*マルチセクター支援:人々の抱える問題の解決に向け、さまざまな専門知識を組み合わせて包括的に取り組む支援
出典:Ukraine Situation Flash Update #63 5 February 2024

UNHCRの住宅修繕プログラムで、砲撃された家を修繕することができたナタリア・クルロヴァさん(43歳、中央)

クルロヴァさん一家

「UNHCRの支援のおかげで、私たちは今、新しい屋根を手に入れ、窓も修繕されました。今、私たちは寒さを恐れず、暖かく快適な環境で暮らすことができます。今はずっと安全だと感じています。ついに、私は家に戻ったのです。」

UNHCRはこの住宅修繕プログラムによって、被害を受けた家屋を耐久性のあるものに修理。人々が再び生活し、この地の極寒の冬を越せるようにするため、壊れた屋根、窓、ドアの取り替えや修理を実施しています。2023年10月、ウクライナへの本格的な侵攻が始まって以来、ウクライナ全土で修理された家屋やアパートは2万戸に達しました。

UNHCRはこれからもウクライナ国内外で援助活動を続行します

UNHCRは、以下の2つの目標に重点を置き、これからも現地で援助を続けていきます。

  1. ウクライナの最前線の地域や奪還されたばかりの地域に住む人々に、命を守る人道支援を提供する
  2. 開発援助やその他の援助を続けながら、地域に根ざした参加型のアプローチを通じて、耐久性のある解決策、経済復興、再建に取り組むことを支援する
家の修繕作業

ウクライナ国内での主な援助活動

  • 緊急シェルター、家屋の修繕等の持続可能な住宅支援
  • 弱い立場に置かれている人々に重点を置いた現金給付支援
  • 生活必需品等の提供
  • 政府等との緊密な協力の元に、セーフティ・ネットを提供
  • 国内避難民と帰還民に向けた、身分証明書/財産証明書といった法的支援
  • コミュニティに根ざした心理社会的、法的保護
援助物資を受け取る親子

難民受け入れ国での主な援助活動

  • 難民の法的地位、保護、権利へのアクセスのモニタリング
  • 現金給付支援プログラム
  • 援助物資の備蓄の維持
  • 難民の約80%を占める女性と子どもを守るための、ジェンダーに基づく暴力(Gender-based violence)、人身売買の防止、子どもの保護への対応強化
グランディ国連難民高等弁務官

「ウクライナの回復力は依然として強く、感動的です。しかし、彼らの不屈の精神を当然のものとして受け止めるのではなく、国際社会は人道支援と復興支援の両方の面で立ち上がり、援助しなければなりません」

2024年1月、ウクライナを訪問したフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
緒方貞子さんとルワンダ難民
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・ウクライナなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

ウクライナに平和が戻るまで
UNHCRの援助活動にご協力ください

UNHCRが実施した調査*によると、約80%の難民が「いつかウクライナに戻りたい」と渇望しています。(* 出典:Lives on hold: Intentions and Perspectives of Refugees and IDPs from Ukraine #4)
最初に駆け付け、最後に去る。UNHCRは1994年にウクライナでの活動を開始して以来、2014年のウクライナ東部での紛争の時も、2022年2月の戦争勃発の際も、現地に残り活動を続行してきました。そしてウクライナの人々が平和と日常を取り戻すまで、現地で援助活動を続けていきます。どうそこれからも、UNHCRの援助活動にご協力ください。

毎月1,500円のご寄付

爆撃で破壊された家々を雨風から守る防水性ビニールシート 約9枚分

毎月3,000円のご寄付
着の身着のままで避難する人のための歯ブラシやタオル、石けん等の衛生キット 約24人分
毎月5,000円のご寄付

ウクライナの人々の生活を守るための、多目的に利用できる1か月分の現金給付支援 約5人分

※1年続けていただいた場合、1ドル=149円換算

  • 当協会へのご寄付は、寄付金控除(税制上の優遇措置)になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております

*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。

皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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