UNHCRの活動
UNHCRは国連難民高等弁務官事務所(The office of the United Nations High Commissioner for Refugees)の略称で、1950年に設立された国連の難民支援機関です。紛争や迫害により故郷を追われた難民・国内避難民等を国際的に保護・支援し、難民問題解決に対して働きかけています。1954年と1981年の2度にわたり、ノーベル平和賞を受賞。緒方貞子さんが、第8代国連難民高等弁務官として活動を率いました。
支援対象者数
1億2260万人
年間必要額
106.2億米ドル
活動国
136か国
職員数
20305人
2024年時点
緊急支援
緊急時においてUNHCRは、いかなるとき、いかなる場所でも、高度に訓練された緊急支援チームを72時間以内に現地に派遣し、逃れてきた人々の命を守るための援助活動を開始します。多くの場合、UNHCRは同時に複数の危機に対して取り組んでいます。
シェルター
UNHCRの最重要任務として、人道危機が起きた際に難民に十分なシェルターを確保することが挙げられます。テントやビニールシート、援助物資を最も必要としている人々に迅速に届けるだけでなく、緊急支援の戦略やガイドラインの整備なども急務となっています。極寒の夜や猛暑の日には、援助物資の有無が生死の分かれ目になることもあります。
教育支援
2022年末までに、学齢期の難民の数は、1年前の1000万人から50%近く急増。推定51% - 700万人以上の子どもたち - が学校に通っていません。(出典:UNHCR2023年難民教育報告書)多くの難民の子どもたちが公式な教育を受けておらず、彼らの未来の繁栄と世界的な開発目標の達成が危機にさらされています。
生計・自立支援
難民は、定住先がどこであっても、地域経済に貢献するという素晴らしい可能性があります。UNHCRは、受け入れコミュニティでの難民の雇用や起業の機会を増やすために、「難民に関するグローバル・コンパクト」を指針として、国、専門機関、企業や市民社会などと連携し、地域経済の活性化や、各種社会サービスに難民が組みこまれるよう支援しています。
無国籍者の保護
無国籍者とは、どの国からも国民として認められていない人々を指します。生まれつき無国籍の人もいますが、無国籍になる人もいます。UNHCRの無国籍者に対する任務は4つあります。
解決策
UNHCRは難民を保護し支援するための活動を展開していますが、私たちの究極の目標は、難民が自分たちの生活を再建できるような解決策を見つけることです。難民が尊厳と平和の中で自分たちの生活を送れるような解決策を見つけることがUNHCRの仕事の核なのです。
環境・気候変動
1990年以来、UNHCRは自然環境保護に努め、最近20年の間には難民とホストコミュニティ双方が利用可能な資源を守るため、持続可能な環境づくりのためのプログラムを実施しています。
第8代国連難民高等弁務官 緒方貞子
緒方貞子さんは、1991年2月から2000年12月までの10年間、国連難民高等弁務官として世界の難民の保護と救済に活躍しました。緒方貞子さんの貢献により、UNHCRは国連の中心的な組織として生まれ変わり、組織、予算も2倍の規模になりました。
SDGsに対する取り組み
SDGsとは2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載されている、2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、UNHCRは特に12の目標に深く関係しています。