UNHCRの活動
緊急支援
緊急時においてUNHCRは、いかなるとき、いかなる場所でも、高度に訓練された緊急支援チームを72時間以内に現地に派遣し、逃れてきた人々の命を守るための援助活動を開始します。多くの場合、UNHCRは同時に複数の危機に対して取り組んでいます。
命を守る支援
故郷を追われるとき、人々はほんの少しの所有物しか持っていけません。
なぜなら、突然のできごとなので着の身着のまま逃れるしかないからです。多くの人々は厳しく過酷な状況の中で、避難先を見つけます。
避難生活で必要となるものは、たくさんあります。あなたの支援があれば、
数週間、数か月、数年の避難生活を強いられてしまう家族にも、必要な援助物資を届けることができます。2019年には269回緊急支援チームを配備しました。
援助物資の供給
UNHCRは約130か国で活動しています。コペンハーゲンやドバイなど、世界数か所に援助物資の備蓄倉庫をもっており、緊急事態が発生すると、UNHCRは現地政府、国連の姉妹機関、数々のNGOと協力して、難民キャンプを設営し、テント、毛布、水、食料、医療、生活用品などの援助物資を供給します。また、次の緊急事態に備えて、備蓄倉庫を補充する必要もあります。
健康と栄養
難民キャンプなどで大きな問題になる病気は、マラリア、エイズ、コレラ、肺炎、はしか、栄養失調です。劣悪な衛生状態や住環境、食料不足がさらに事態を悪化させ、病気が蔓延します。
また、無力感や不安感という心理状態は、性的暴行の増加やエイズなどの性感染症の拡大にも影響します。新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、UNHCRは新型コロナ対策として、難民キャンプ等における手洗い場の設置や、マスクや消毒液などの衛生キットの配布、治療及び隔離施設の設置等を行い、感染防止対策に取り組んでいます。また受入国やパートナー団体と連携し、新型コロナ対策やワクチンの接種の政策等に、難民が取り残されることなく平等に含まれるよう従事しています。
緊急対応チーム(ERT)
緊急対応チーム(ERT)は、1991年当時の第8代国連難民高等弁務官・緒方貞子さんにより、緊急対応能力の強化を目的に創設されました。大規模な人道危機に備え、緊急事態に必用な知識・経験を持つ職員を育成して常に待機させ、UNHCRの既存の事務所だけでは対応できない大規模な人道危機が起きた際に派遣します。世界各地のUNHCR職員やパートナー団体などからの志願・登録制で、緊急事態が起こると要請に基づき72時間以内に出動します。また緊急事態では、特に弱い立場に置かれがちな5歳未満の子どもに配慮し、予防接種や経口水分補給療法、栄養強化食品やビタミンA投与による予防法などに重点を置き医療支援にあたります。
しかし資金不足のために、基本的な医薬品や医療器具などが不足しがちなのが現状です。