1670万人
シリア国内で人道援助を必要としている人の数(2024年2月現在)
720万人
シリア国内避難民(2024年2月現在)
505万人
周辺国に逃れるシリア難民(2024年2月現在)
シリア危機について
終わりが見えないシリア危機は、依然として世界最大の難民危機です。さらに2020年の新型コロナウイルス感染症によるパンデミック、ウクライナでの戦争による物価高等で、シリア難民はさらなる苦境に追い込まれています。UNHCRは、政府やパートナー団体とともに最も支援を必要としているシリア難民を確実に保護・支援ができるよう取り組んでいますが、深刻な資金不足の影響でシリア難民の生活は困難を極めるばかりです。
近隣諸国に逃れているシリア難民の大多数は都市部で日雇いの仕事などで生計を立てながら暮らしており、UNHCRなどが管理している難民キャンプで暮らす人は数パーセントにすぎません。例えば隣国レバノンで暮らすシリア難民の約90%が貧困ライン以下の生活をしており、電気や水道が不十分だったり、過密で不衛生な環境での生活を強いられています。UNHCRは、近隣諸国を含む国外に逃れたシリア難民に対して、受け入れコミュニティ、パートナー団体と連携し、保護及び十分な支援が受けられるよう取り組んでいます。
シリア国内にとどまっている人々も長期にわたる紛争の傷跡の中、最低限の生活もままならない状況です。また、シリア北西部では、2023年3月に大地震が直撃しました。瓦礫の山となった町に住民は帰還しつつありますが、支援なしでは暮らせない厳しい状況です。UNHCRは、国内避難民に対し援助物資を届け破壊された家や学校等の修復にあたると共に、人々の生活を守る現金給付や教育支援等に全力であたっています。
シリアにおけるUNHCRの主な援助活動
緊急救援活動
避難した人々を保護、シェルターや救援物資を提供。また、2023年3月の大地震の被災者を保護し、救援物資の提供等を実施。
保護・生活支援
簡易医療施設やコミュニティセンターなどを設置し、子どもやお年寄りを含む弱い立場に置かれた人々の保護・生活支援の実施。
命を守る現金給付支援
医療費や生活費等、難民・国内避難民の各家族のニーズに沿った利用が可能となる現金給付の実施。