新型コロナウイルス感染症 緊急支援【続報】皆様のご支援で、UNHCRは現地での救援活動を進めています
公開日 : 2020-05-15
皆様のご支援は、紛争・迫害で故郷を追われている難民の元へ
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COIVD-19)から難民・国内避難民・庇護申請者等を守るための緊急募金に、皆様から心温まるご支援を賜り、誠にありがとうございます。

皆様のご寄付で可能となったさまざまな支援の形
水・衛生/保健対策への支援

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための最も重要な施策は、やはり水と衛生/保健対策です。UNHCRは石けんやマスクといった新型コロナ予防のための救援物資を配布すると共に、井戸、手洗い場を拡充する等、清潔な水へのアクセスを手配。
また、多くのシリア難民が避難するヨルダンのザータリ、アズラック難民キャンプや、バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプではロックダウン(封鎖)を実施、感染者が出た際に備えた隔離施設の準備も進めています。さらに、レバノンではPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査のための医療施設を手配する等、保健対策の強化も進めています。
【写真】支援の現場から:From バングラデシュ
人口密度がニューヨークの2倍となっているロヒンギャ難民キャンプはいつ新型コロナウイルス感染症が拡大してもおかしくない状況です。UNHCRは難民と受入国バングラデシュの人々を治療・隔離するための病棟を急ピッチで建設しました。
シェルター/生活支援

紛争・迫害から逃れた人々を保護し、シェルター(避難所)を提供することはUNHCRの最優先事項ですが、避難民に安全な場所を確保することは、新型コロナから人々を守るために、さらに重要となります。中東等からの難民が長期に渡り避難を続けるギリシャ、中米からの避難民が押し寄せるメキシコやブラジル、そして以前から日雇いといった不安定な労働環境を強いられ、今回の新型コロナによりその不安定な職、そして住む場所すら失った都市難民等のために、UNHCRはシェルターをさらに拡大、医療施設も建設する予定です。
また、保護者のいない子どもたち、年配者、LGBTI、シングルマザーといった弱い立場に置かれている人々が搾取や人身売買、少年兵への動員等の危険にさらされないように保護を強化、現金給付といった緊急支援も実施しています。
【写真】支援の現場から:From ブラジル
ブラジルで安全に保護された、南米ベネズエラの先住民ワラオ系住民の子ども。政情不安と食糧難から400万人以上が故郷を追われている中、今回の新型コロナの影響で援助が行き届かず、状況が改善していないベネズエラへ帰還せざるを得ない難民も多くいます。
情報共有/コミュニケーションの強化

誤った情報が拡散されやすいこの新型コロナ危機において、正しい情報を迅速に難民の元へ届けることが、生活のみならず生死を左右します。UNHCRはボランティアや地元のネットワークと協力し、手洗い等、感染防止のための衛生管理等の情報を難民に共有。
また、コールセンターやSNSチームを補強し、難民のニーズを的確に把握、より多くの人々に支援を届けるよう尽力しており、すでに中東・北アフリカだけで難民・国内避難民からの電話でのお問い合わせ35万件に対応しています。
【写真】支援の現場から:From チャド
中央アフリカから隣国チャドに逃れたザラ(右から2番目)とその子どもたち。UNHCRの支援により難民の学生が各家庭に戸別訪問キャンペーンを実施し、新型コロナへの対応策を記載したパンフレットを配布しています。
【動画】世界中で、新型コロナウイルスの脅威に備える難民キャンプ
難民も、感染予防のために尽力しています
![]() イラク難民のモヘイマンはUNHCRの奨学金制度で看護師の資格を取った後、避難先のイランの病院で新型コロナウイルス感染症の患者のケアをしています |
![]() マリ難民のゼナブは避難先のニジェールで、UNHCRが提供したミシンを使って感染予防のためのフェイスマスク作りに励んでいます |
![]() ソマリア難民のアミナはケニアにて、新型コロナによる学校封鎖により通学できない子どもたちのために、ラジオや携帯電話のアプリを通じて授業を実施しています |
![]() 検温を受けるアズラック難民キャンプの子どもたちも、フィジカル(ソーシャル)ディスタンスを守り、感染拡大を防ぐために貢献しています |
ご支援者の皆様からの温かいメッセージ
皆様のご支援は、難民支援の現場の大きな力となっています。今回の新型コロナウイルス感染症 緊急募金にご協力いただきました方々の温かいメッセージを紹介させてください。




UNHCRは現地で新型コロナウイルス対策を実施する中、難民もまた、このウイルスの脅威と闘うため、世界各国で尽力しています。

しかし、停戦が実現されない中で洪水にも見舞われたイエメン、暴力行為が激化する一方、気候変動の影響による豪雨やイナゴの大発生に襲われる南スーダン、ソマリア等、緊急事態は今も世界中で続いており、そしてイランでは、アフガン避難民約100万人が新型コロナウイルスの影響により生活苦に陥り、4人に1人の子どもが学校に通えなくなり、さらに5人に1人の子どもが児童労働を強いられていることも報告されています。
皆様のかけがえのないご支援のおかげで、UNHCRは今現在も、世界各地で救援活動を実施しております。改めて、厚く感謝申し上げます。
故郷を追われ、弱い立場に置かれている人々をこの新型コロナウイルスの脅威から守るために、1人でも多くの命を保護するために、UNHCRは援助活動を継続していきます。これからもUNHCRと共に、難民を支える力となってください。