レバノン・ベイルートにおける大規模爆発 UNHCRの緊急援助
公開日 : 2020-10-16

2020年8月4日午後6時(日本時間5日午前0時)中東レバノンの首都ベイルートで大規模な爆発が起きました。
ベイルート北部の港湾地区の倉庫で起こったこの爆発により、死傷者は数千名におよび、ベイルート市内で30万人が家を失い、現地の被害額は日本円で3240~5400億円に及びます。※1 ※2
※1 参考ウェブサイト:外務省HP 2020/8/7付記事
※2 被害額は1米ドル=108円換算にて計算
ベイルートにおける大規模爆発の被災者に対する緊急支援は、2020年UNHCRの最優先の援助活動のひとつです。
レバノンの緊急事態に対するUNHCRの主な初動対応

- 支援対象はレバノンに避難している難民・避難民だけでなく、レバノン人・移住労働者など全人口における「甚大な被害を被った被災者」。
- この緊急事態に対するUNHCRの援助活動は主に「シェルター」「保護」の2分野で実施されている。保護においてはとりわけ、コミュニティに根差した保護及び、メンタルヘルスと心理社会的なサポートに重点を置いている。
シェルター
*緊急援助物資の配布
風雨や強い日差しを遮るための防水のビニールシート、木材、シェルターキットなど。
*大工など専門家の手配
資材の取り付け、住居の修繕のために大工など専門家の手配。
*多目的の現金給付支援の実施
命をつなぐために必要な多目的の現金給付が行われている。
- 損壊した家屋の修理中に住む仮住まいの家賃支払い
- 家屋修繕の費用
- 食費・医療費
*中期的な住居の修繕・共有エリアの改修なども実施
保護
*コミュニティ対策
現地省庁やパートナー団体と連携して以下の援助活動を実施。
- コミュニティへの情報発信
- コミュニティごとに被災者の特定
- コミュニティの結束を高める活動の支援
- 現地の市民社会と連携して新たなコミュニティの構造や取り組みを形作り、必要な情報や援助を得られるようにする

*被災者の心のケア
現地のパートナー団体、コミュニティグループ、福祉ボランティアと連携して以下の援助活動を実施・強化。
- 心のケアを必要とする被災者に対する心理サポートの提供
- 適宜コミュニティネットワークにつなぐ
- 必要に応じて専門的セラピーを行う
*「個別対応」に対する支援
様々な援助活動を統合して個々の被災者に提供するための既存の「個別対応」システムの強化を支援。
「個別対応」の中で統合して提供する援助活動の例
- 緊急の現金給付支援
- 医療サービス
- シェルター
- 心理サポート
- レバノンにおける埋葬サービス
- 法的サポート
具体的な「個別対応」の強化策の例
- 被災者のための電話相談の回線の設置
- ボランティアによる被災家庭訪問
(情報提供・必要に応じて援助へとつなぐ)
*その他の重要項目
- 保護目的のモニタリングの継続
- 紛失した公的書類の再交付(レバノン政府と協働して実施)
レバノンは自国が非常に困難な状況にあるときに、数多くの難民を受け入れてきました。
UNHCRは、レバノンで避難生活を強いられている人々のために、引き続き援助活動を進めてまいります。
※UNHCRは難民・避難民に対する新型コロナウイルス感染症対策も、引き続き行なっています。