ウクライナの人々への現金の給付支援からわかった3つのこと
ウクライナの人々を支えてくださりどうもありがとうございます
公開日 : 2023-07-28
ウクライナでの軍事行動の開始から1年が経過した今年2月、国連UNHCR協会はなお過酷な状況におかれ続けているウクライナの人々を支える緊急支援のお願いを皆様にお送りしました。皆様からお寄せいただいた温かいご支援とご関心に、心より感謝申し上げます。 本日はご支援のお願いの際にお知らせしたウクライナの人々への現金の給付支援について、戦争開始以降に支援を受けた人々の声から見えてきた詳しい使い道や生活の改善状況を、感謝の気持ちを込めてお伝えいたします。
ウクライナと周辺5か国で160万人に現金の給付支援を実施しました
*2023年4月17日時点
出典:UKRAINE SITUATION OUTCOMES OF CASH ASSISTANCE: FINDINGS FROM POST-DISTRIBUTION MONITORING April 2023
現金の給付支援の実施後、受給者からフィードバックを受けています
現金の給付支援の実施後、同支援の効果をより理解し支援の設計を改善していくため、受給者からフィードバックを受けています。以下の内容は、各国*で実施した最新のデータ収集から得られた主な結果の一部です(2022年9月~12月にかけて実施した2375件の給付後のモニタリング面談が対象)。
*ウクライナ国内の戦争の影響を受けた人々と近隣4か国(ポ―ランド、モルドバ、スロバキア、ルーマニア)の難民が対象
①現金給付の使い道の1位は食料
ウクライナ国内や周辺国で避難を強いられている人々や戦争の影響を受けている人々の中で、多くの人が抱える差し迫った基本的なニーズのひとつが食料であり、面談を受けた受給者の81%が主な使い道として食料を挙げています。少なくとも4分の1の人々が挙げたその他の支出項目は、保健・医療、衣類、家賃、水道光熱費・通信費などでした。
ウクライナとモルドバでは水道光熱費、通信費などに、ポーランドでは衛生用品の支払いに現金を充てる人が他国より多いなど、国によってニーズが微妙に異なることもわかりました。
②75%の受給者が直近の二ーズの半分以上をカバー
国によって程度の違いはあるものの、現金の給付支援を受けた人々で面談を受けた人々の75%が、給付により直近のニーズの半分以上を満たすことができたと回答しています(ウクライナとスロバキアでは、4分の1以上が現金給付によりカバーできたニーズは半分以下だったと回答)。
③大多数が経済的負担の軽減を実感
モニタリングによると、現金の給付支援を受けた人々で面談を受けた人々の大多数が経済的負担の軽減を実感しています。以下のグラフからはそのほかにも、現金給付がストレスの軽減や生活の状態・環境の改善にも大きく貢献していることを伺い知ることができます。
引き続き、ウクライナの人々にご関心をお寄せいただけますよう、よろしくお願いいたします
ウクライナの戦争によって避難を強いられている人々や戦争の影響を受けている人々にとって、現金の給付支援はなくてはならない支援です。同国や周辺国では、苦しい状況に追い込まれネガティブな方法で対処せざるをえない状況におかれている人が多数います。こうした人々の多くは、食料を手にするために教育や健康に関連する支出を減らさざるをえず、またウクライナ国内では紛争下で困窮する暮らしの中で、多くの人が子どもを学校に通わせられなくなる、家賃を滞納する、グレードの低い住まいに引っ越すなどのさらに苦しい選択を迫られています。ウクライナの人々を守り支えていくために、UNHCRは現金の給付支援をはじめ、ニーズに応じた幅広い支援を継続しています。
今後もウクライナ国内外で避難を強いられている人々の状況とともにUNHCRの援助活動に関する情報を皆様にお届けしてまいります。引き続き、ウクライナの人々にご関心をお寄せいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。