「人道支援者であることが、私の知るすべてです」カルメリーヌ・ワンジルUNHCRケニア渉外担当官

公開日 : 2024-08-22

ナミビア(ケニア)2024年8月19日 ― UNHCRには1万8000人以上の職員がおり、そのほとんどが現地に駐在しています。今回は、ケニア駐在のカルメリーヌ・ワンジル渉外担当官を紹介します。

名前:カルメリーヌ・ワンジル(ケニア・ナイロビ出身)
職種:ナイロビの渉外担当官
UNHCR在籍期間:24年。2000年にコミュニティサービス・アシスタントとしてUNHCRに入職し、2017年に2か月間ソマリアで勤務

Q: なぜ人道支援従事者になったのですか?

A: 人道支援者であるということは、時に自分の枠を超えたことをしなければならない、ということを知ることだと思います。時に痛みを伴っても柔軟に仕事をするのは、自分を頼りにしている人たちがいて、その人たちが置かれている境遇や状況は、自分が想像している以上にひどいものだと知っているからです。一人の女性として、難民キャンプにいる女性たちのことを考えると、こう言いたくなります。「私はこのオフィスで、この状況を改善するために何ができるだろうか?UNHCRの活動を支えるにはどうすればいいだろうか?」たぶんそれが、私がずっとここにいる答えでしょう。私は20年以上ここにいて、これが私の知っているすべてなのです。人道への奉仕が伴わないのであれば、今さら別の働き方を学ぶことはまずないでしょう。

Q: UNHCRでの経験で最も記憶に残っているものは?

A: このミッションのおかげで、自分の関心はまだケニアにあることに気づき、自分のキャリアパスがどうあるべきかが明確になりました。現場の同僚をサポートすることの方が自分の役割として適していると気づくことができたのです。人道支援者として同僚をサポートし、キャンプでの彼らの活動を促進するためにできることをすることが、私の選択でした。また、このような過酷な状況下で働く現場の同僚たちへの称賛と尊敬の念も増幅されました。

加えて、ダダーブはUNHCRでの私の最高の経験の1つでもあります。たくさんの友達ができ、今でも仲の良い友達もいます。ダダーブでは私の夫にも出会い、そして20年後、私たちは今も3人の子どもと一緒にいます。私の心の中で特別な位置を占めています。

Q: 難民との関わりで学んだことは?

A: UNHCRで働き始め、難民と接するようになって、難民をよりよく理解できるようになりました。彼らは現在の地位を築くために計り知れない困難を経験し、それでもなお信念を貫いている人々です。私は、ただ自分の子どもを学校に行かせたいと願う難民の母親たちと交流したことがあります。子どもたちが学校へ通い、より良い生活を送れるようにと願っているのです。

キャンプを訪れて、難民が商売をしたり、子どもたちが学校に通ったりしているのを見ると、何か意味のあることをしているような気がします。彼らは、自らのニーズや願望さえも満たすことができます。

難民は経済に貢献しています。カクマやダダーブの街を歩けば、彼らはビジネスを営み、学校の先生であり、病院で医療サービスを提供し、デジタル空間で働いているのを目の当たりにします…特に若い人たちが頑張っているのを見るのは、とても刺激されます。ただ、彼らが目標を達成するためには、いくつかのサポートとリソースが必要です。

Q: あなたが学んだ教訓は?

A: キャリアの中で、現場での仕事は厳しいものだと学びました。難民に提供するすべての解決策を持ち合わせていない時もあります。できるのは、耳を傾けることだけです。

時には、異なる部署や部門にまたがることになる追加的な役割を担うために柔軟でなければならず、ケアラーの歩みは垂直的ではなく、直線的であることもあります。しかしそのおかげで、自分の知識やスキルを広げながら、何か違うことをする機会を得ることができます。

毎日、仕事に打ち込むことから逃れることはできない。この仕事はやり遂げなければならない、そのために私はここにいるのだと自分に言い聞かせています。

自分自身の面倒を見ることが大切だと学びました。メンタルヘルスに気を配り、家で、友人と、家族と、自分が幸せになれるようなことに取り組むことが、仕事で経験しうるストレスに対処するのに役立ちます。

Q: キャリアの中で最も誇りに思っていることは?

A: 私は(G4からナショナル・オフィサーに)昇進しました。そして、私が自分の国でこのようなことを成し遂げたという事実は、他のケニア人やアフリカの人々が、自分の国でキャリアアップを達成できるということに誇りを持てるようになることを願っています。私のスキルがあれば、国のために多くのことができますし、仕事と家庭のバランスを保つこともできます。若い女性たちにも、心を込めればいくらでも達成できることを教え、奮い立たせることができます。

Q: あなたのモチベーションは?

A: UNHCRはたくさんの変化を経てきましたが、私はそのほとんどを経験してきました。私は今、持続可能なプログラミングや統合といった新しいアプローチやシステムを通して、組織と共に進化しています。私のケニアでの任務への貢献が、そして世界的な貢献が、今後も影響力を持ち続けることを願っています。

Charity Nzomo
原文はこちら(英文)
‘Being a humanitarian is all I know how to do.’


UNHCRの難民支援

こうしている今も、多くの人々が家を追われています。そして紛争や迫害のみならず、気候変動による洪水、干ばつといった自然災害や食料不安も避難の大きな要因となっています。厳しい情勢が今現在も進行する中、一人でも多くの命を安全に保護するため、UNHCRは現地で援助活動を続けています。

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