第19回難民映画祭・映画紹介 『学校をつくる、難民の挑戦 』 困難に直面しながらも人生を切り拓いていく、難民の勇気と行動力
タリバンの弾圧から逃れたムザーファとハディム。やっとの思いでオーストラリアにたどり着いた。しかしながら、強制的にインドネシアに。そこで、過酷な生活を強いられ.... 彼らにとっての新たな戦いが始まる。
公開日 : 2024-10-18
オーストラリアへの船旅は犯罪組織が関与していたため、渡航して来た難民はオーストラリアでの定住が認められなかった。行き場を失った14,000人の難民の半数以上はアフガニスタン出身であり、そのほとんどはタリバンによる迫害に直面しているハザラと呼ばれる民族だ。
インドネシアでも、難民たちは仕事を与えられず、子どもたちは教育さえも受ける権利がなかった。この映画では、そんな過酷な状況の中で、ムザーファとハディムが難民の子どもたちの教育改革に取り組む姿を描いている。二人は、難民に対する教育改革のきっかけとなった「チサルア・レフュジー・ラーニングセンター」(CRLC)を設立し、多くの子どもたちに教育を提供している。また、ハディムは映画制作を通じて難民の声を伝え続けている。
映画監督はジョリオン・ホフ。長編ドキュメンタリー映画『The Staging Post』で、オーストラリア監督組合の「ベスト・スタンドアローン・ドキュメンタリー」を受賞し、2017年から2018年にかけて、オーストラリアの映画館で最も興行収入の高いドキュメンタリー映画の1つとなった。今作は難民コミュニティを鼓舞し、インドネシアの難民が主導する教育のために、100万ドル以上の支援金を集めた。
この映画は、彼らの生活に密着することで、難民への理解と支援の重要性を訴えている。過酷な状況の中でも、他国で難民として暮らす覚悟、家族の絆、希望を捨てずに前向きに生きる難民たちの姿は、私たちに難民問題について考えるきっかけを与えてくれる。難民の命と尊厳を守るため、彼らの生活から何を感じ、何を学ぶのか。私たちは改めて考える必要がある。
制作:広島安田女子大学 英語英米文学科 通訳専攻 加藤凜乙、河合陽菜、紀遥香、木原菜歩、下谷萌音、松江美怜
参考:
https://thestagingpost.com.au/
https://edition.cnn.com/2013/09/20/world/taliban-fast-facts/index.html
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2023/07/03/32625.html
https://www.bbc.com/news/world-asia-28189608
https://www.aftrs.edu.au/alumni/alumni-showcase/jolyon-hoff/
第19回難民映画祭