第19回難民映画祭・映画紹介『 ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』シリア難民の少女が、社会に難民問題を問いかける

内戦により故郷を追われ、新たに家となる場所を探すべくシリアの国境からヨーロッパを横断する3.6メートルの人形アマルの旅を描いたドキュメンタリー映画『ザ・ウォーク』。

公開日 : 2024-10-18

2011年にシリア国内で武力衝突が始まり、1,100万人にものぼる人たちが難民として国内外に避難している。そのうちおよそ74万人は11歳に満たない子どもである。21世紀最大の危機と言われるこの状況は、13年が経過した今もなお続いている。戦争により子どもたちは住み慣れた家を失い、大切な人を失った。そして、教育を受ける権利までも奪われた。

旅の中で訪れた国々では、難民を快く受け入れてくれる人だけではなく、様々な理由で難民の受け入れを拒む人がいる。そんな人々との出会いからアマルは希望と恐怖を感じながらも、安全かつ人々から歓迎される場所を探し続けるのだ。

アマルは実在する10歳の少女として描かれている。彼女は思いやりと人権の国際的なシンボルとなっており、あらゆる場所で避難生活を送る人々や家族と離ればなれになった子どもたちに希望のメッセージを伝えている。

劇中には、10歳の少女アシルも登場する。彼女は故郷と家族を失うというトラウマを抱えながら、孤児院で親戚が迎えに来るのを待つシリア難民である。そして、彼女はアマルという名の巨大な人形に声を与える。

この映画は、主人公アマルの旅を描きながら、戦争によって家や家族、そして日常生活のすべてを失って苦しんでいる多くの子どもたちの存在を教えてくれる。アマルの物語を通じて戦争がもたらす悲劇的な現実を目の当たりにし、世界中で起こっているこのような状況を私たちの身近に存在する問題として意識する必要がある。

制作:広島安田女子大学 英語英米文学科 通訳専攻 村岡佑夏 山下珠愛留 横山愛莉 本庄菜穂

参考:
https://www.unicef.or.jp/news/2021/0064.html
https://www.worldvision.jp/news/amp/works/cee/news_1040.html
https://www.bbc.com/japanese/48686573
https://www.unhcr.org/jp/11003-ws-130823.html
https://column.savechildren.or.jp/yemen-humanitarian-assistance-1
 

第19回難民映画祭

困難を生き抜く難民の力強さに光をあてた6作品(日本初公開4作品を含む)をオンラインと劇場で公開。難民への共感と支援の輪を広げていくために、日本全国からのご参加をお待ちしています!

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