【みんなで取り組む20億キロ】賢明女子学院中学高等学校 少林寺拳法部

公開日 : 2020-08-19

少林寺拳法部が難民とともに1,511kmを走る!!

賢明女子学院中学高等学校少林寺拳法部は、中学高校共に全国大会でも活躍する強豪です。

2019年末から、部活動の稽古のなかで「みんなで取り組む『難民と進む20億キロメートル』」を活用していただき、新型コロナ禍のなかでも、自分たちにできることを考え、さらなる目標達成のために取組を続け、大きな目標を達成されました。


以下、顧問の上杉嘉紀先生に活動の様子をまとめていただいたきましたので、ご覧ください。

 

活動について

~参加のきっかけ~

賢明女子学院中学高等学校 少林寺拳法 UNHCR賢明女子学院中学高等学校少林寺拳法部では、少林寺拳法の技術の練習はもちろんですが、体力強化のためにランニングをはじめ様々なトレーニングメニューを取り入れています。

少林寺拳法は創始者である宗道臣の悲惨な戦争体験から、日本を立て直し平和な社会をつくることを目指して創始された日本の武道です。

力の強さや勝ち負けを目的とせず、困難に立ち向かうために護身の技術を学び、心身共に鍛え、自信と勇気と行動力を養い、仲間と協力して進んでいけるリーダーを育成するための教育システムが少林寺拳法の特徴です。
人々の平和を奪う戦争や迫害は、いつの時代でもあってはならないことです。

しかし、ただ単に少林寺拳法の技術を修得したり、メディアで配信される難民を取り巻く環境についての情報に触れるだけとするのではなく、この「難民と進む」活動を通して世界にある悲惨な現状を少しでも理解し肌で感じることが、平和学習の方法として効果的であり、少林寺拳法が創始された目的を理解することにも近づくのではないかと考えました。

~活動の様子~

 

この活動は、目標を「2019年12月から2020年4月までに1,000kmを完走する」としてスタートしました。

大きな目標に向かって、難民の方々の気持ちを少しでも理解できるように、自分自身の体力向上、チームの結束力向上など様々な気持ちを込めて走りました。

学校のすぐ西側には世界遺産姫路城があり、城下のランニングをしやすい環境も手伝って、この活動への積極性を高めたように感じます。

しかし、3~4月に新型コロナウィルスの感染が拡大し、約3ヶ月間の休校となり、この間に出場予定であった全国選抜大会やインターハイ予選、目標としていたインターハイなど、すべての大会が中止となりました。

これだけ多くの目標や活動の場を一気に失うことは、部員達にとって予想もしていなかったでしょうし、悔しい思いをしたと思います。

しかし、世界には今日もどうなるかわからないほど、辛い生活や環境を強いられている多くの難民がいます。


 

彼らが明日を諦めず前に進んでいることに習い、私達も今出来ることを少しずつ、現状に負けない気持ちで進めていくように努めました。

休校期間中は「難民と進む」活動を止めたくなかったので、部員には走行距離をランニングアプリで記録し、毎週の合計距離を報告してもらいました。

少しずつランニングを続けた結果、目標の合計1,000kmは4月中旬には達成していましたが、休校期間の延長に伴い更に500㎞増やし、1,500kmの完走を目標に取り組み、休校が解除になった6月下旬に部員全員で姫路城下を走り、1,511kmを達成しました。

 

参加者の感想

・この活動に参加して、難民の苦難がどれほど大きいものかを考えることができました。

この活動をはじめる前は、総移動距離が20億kmと聞いて驚き、実際に走ってみても1日に3~4kmほどで目標とする1,500kmでさえ大変だったのに、難民の方々は私達と違って少ない食料で、紛争への恐怖を抱きながら生きるために移動していると考えると、胸が痛みます。

また、この活動を主催されているUNHCRという、難民を守るための国連機関があることを初めて知りました。

物資の支援、教育支援、女性支援など人々を助けるために、紛争地へ赴く国連機関の行動力は本当に凄いと思いました。

私は海を渡り、直接支援することはできないけれど、今も世界のどこかで多くの難民が辛い思いをしている現状、その支援のために働く組織の凄さ、さらには私の走る環境は恵まれていることを知ることができる、貴重な機会だったと思います。

これからもこの活動から学んだことを、少しでも活かせるようにしたいです。


・私達がちょうどこの活動を始めた頃、難民に関する授業を受け、難民のために私達ができることは何かを考えていました。

現地に行って何かをする事はハードルが高すぎるし、出来たとしても募金による支援しかありません。

しかし、この「難民と進む」活動の様にランニングを通して難民の人々の辛さについて、考える方法があったということに驚きました。

私達が考え付かないだけで、もっと難民支援の力になれることがあるかも知れないと思うと、この難民問題をはじめ地球規模で何が起きているのか調べ、取り組んでみたいと強く思いました。

部活動でこの活動に取り組むことは不思議にも思いましたが、目標である1,500kmを達成したことで部員間の気持ちのつながりが強くなったように感じます。

新型コロナウィルスの影響は大きいですが、負けずに練習を再開することができたと思います。

これからも、難民支援に何ができるか、世界中で起きている問題は何なのか、この辛さを乗り越えるためには何が必要なのかを考えながら、少林寺拳法の練習に励んでいきたいと思います。

~顧問 上杉嘉紀先生より~

この活動を知ってから目標を達成するまでに感じたのは、「心身共にこれほどまでに長い道のりがあるのか」ということでした。

10人程度で走る1,500kmという距離は果てしなく、重ねて新型コロナウィルス感染拡大による自粛や制限によって奪われた普段の生活は、部員達にとって辛いものでした。

しかし、世界には更に厳しい環境で今日の命にすら不安を持たなければならない人々がいることを知り、恵まれた環境にいる私達はどうすべきなのかを考える切掛けになったと思います。この経験を、今後の学校生活や少林寺拳法の活動、自分の将来に役立て、人の為に力を尽くすことができる、素敵な女性になってほしいと願っています。

この活動に参加させていただき、本当に有難うございました。

最後に

賢明女子学院中学高等学校 少林寺拳法 UNHCR日本で生まれた武道である少林寺拳法の稽古によって、『難民と進む20億キロメートル』の前進にご協力いただき、新型コロナ禍において悔しい想いをしながらも、難民の人々の現状に共感し、困難に立ち向かい、目標を達成された様子が伝わってまいります。

さらに、走ることに加えて、難民問題やUNHCRの働きを学び、未来の行動につなげていく意志が示された活動になりました。

技術の習得だけでなく、少林寺拳法の精神に則って、平和について想いを馳せ、自らの力を活かしていく活動は、きっとこれから大きな難民支援の輪を生むきっかけになると思われます。


国連UNHCR協会は、日本各地の皆さんが、このような取り組みを通じて世界にアクションを起こしていくことを応援しております。

皆さんの行動力とアイディアにより、活動の可能性はさらに広がります。

ご関心を寄せていただいた方は、いつでも当協会までお問い合わせください。

最後になりましたが、この活動にご賛同いただいた賢明女子学院中学高等学校少林寺拳法部の皆さん、そしてお忙しいなか、記事作成にご協力いただいた顧問の上杉嘉紀先生に深く御礼申し上げますとともに、皆さんのさらなるご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

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