緊急報告 ウクライナ人道危機

公開日 : 2022-06-08

ウクライナと周辺国の地図
この地図上の名前や境界線は、必ずしも国連の公式見解を示すものではありません。

これは本当に、この21世紀に起こっていることなのか―。
2022年2月24日に始まったウクライナでの軍事行動は、平和だった町を破壊し、罪のない子どもたちや女性を含む多くの市民の命を奪い、甚大な被害を出しています。ウクライナの国内避難民は800万人、国外に逃れた人は630万人を超え、第二次世界大戦後、ヨーロッパで最悪の難民危機となっています。
軍事行動の開始以来、大変多くのご支援をお寄せいただき、心より感謝申し上げます。ウクライナや近隣国で今日も続く、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の援助活動の緊急報告です。
※この報告に掲載されている情報は、2022年5月現在のものです。

ウクライナ国内でのUNHCRの援助活動

現金給付支援のための登録331000人 初回の現金給付を受けた人166300人(1人につき月額75米ドル)国境や受け入れ施設等での保護 (情報提供や心のケア含む)170761人 受け入れセンター等の設置73か所 破壊されたシェルターや家屋に関する支援23400人 最も激しい攻撃を受けている地域への支援64954人 ポーランドからの緊急援助物資の輸送(毛布、温かい衣服、防水シートなど)トラック127台分 物資の提供(衛生用品、毛布、マットレス、就寝用マット) 422130人 砲撃で最も影響を受けている地域への食料の配布1.5トン 就寝場所の新たな設置・改善46488か所(163施設)

ウクライナで1994年から活動するUNHCRは、状況の深刻化を受けて支援を大幅に拡大し、現場へのアクセスが困難な中でも、8か所の事務所を拠点に約200名の職員が活動にあたっています。
ウクライナにおいては、人道援助団体のリード機関として
①保護活動
②シェルターと援助物資
③キャンプの調整管理

の3つの分野の支援を主導し、政府やパートナー団体と連携して、命を守るための緊急援助活動に尽力しています。

救援物資を届けるUNHCR

3月、ウクライナ北東部のスームィで物資や食料、医薬品を届けるUNHCR。最もアクセスが困難な地域の1つで住民は数週間孤立状態にあった

ウクライナ近隣国での活動

ポーランド

ポーランドでの支援活動の様子
難民の現金給付のための登録(ワルシャワ)
  • 現金給付支援の登録:60,969人
  • 救援物資の配布:120万人
  • (毛布:110万人 防水シート:17,200人 ソーラーランプ、寝袋:各10,000人
  • 国境や通過地点でのモニタリング :9,488人
  • UNHCRヘルプサイト(難民向けサイト)による支援・情報提供:300万ページビュー

ルーマニア

ルーマニアでの支援活動の様子
難民を移送するバス付近でサポートするUNHCR職員
  • 対面や電話での情報提供・カウンセリング:14,141人
  • 現金給付の登録:2,679人
  • ブルードット(女性と子どもの保護施設)設置:7か所
  • UNHCRの事務所の設置:3か所
  • モルドバ国境からルーマニアへの難民の移送支援:10,372人
  • 救援物資の備蓄倉庫:3か所

モルドバ

モルドバでの支援活動の様子
ドバイの備蓄倉庫からモルドバへ到着した救援物資
  • 現金給付支援:42,807人
  • オーストリアやドイツなどへの移動のサポート:1,275人
  • モルドバ政府への物資提供
    石けん:20,000個
    生理用品:15,000個
    毛布:8,000枚
    赤ちゃん用品:3000個 など
  • ブルードットによる支援:6,446人
現金給付登録センターの様子
UNHCRの現金給付登録センターで登録を受けるロザリアさん親子

難民のライフラインを現金給付で守る
家の隣に爆弾が落ち、3日かけてポーランドに避難してきたロザリアさんと息子のアンドレイくん(2歳)。母国に残っている夫とは連絡が途絶え、必要な物を買う現金も不足し、UNHCRの現金給付のための登録を受けました。「冷蔵庫は空です。食べ物をくださる人もいましたが、恥ずかしい思いでした。できれば自分自身で買いたいのです」。
ブルードットの様子
ブルードットのボランティアとアクティビティをする難民の子どもたち
子どもや女性の支援拠点「ブルードット」
UNHCRはポーランドやモルドバなど6か国でユニセフと連携し、国境など避難ルート上に、「ブルードット」という安全なワン・ストップの支援拠点を設置。様々な情報を提供し、ソーシャルワーカー等によるカウンセリングや法的支援を行っています。子どもが遊ぶスペースもあり、親と離ればなれになった子どもの保護も行っています。

「 この連帯を、すべての難民へ」

「ウクライナの人々、動物たち、自然をこれ以上傷つけたくありません。 不自由なく生きられる私たちに、何ができるでしょうか」(支援者の方より)。 同じ思いを抱えている方も多いのではないでしょうか。
今、同じ時代を生きる私たち一人ひとりが、この問題にどう向き合うのかが問われています。


ウクライナでの戦争は、莫大な苦しみを生み出してきました。
それと同時に、世界各地からたくさんの勇気と寛容な心が寄せられ、思いやりの行動へとつながりました。
もしこの危機がさらなる大惨事になるのを止めようとするのなら、罪なき被害者たちへの支援を続けていくことが重要です。
そしてこのような連帯は、すべての難民危機に向けられるべきです。
―フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官 2022年3月24日の声明より抜粋



ウクライナ 避難を強いられる家族に人道支援が必要です

皆様のご支援により、故郷から避難を余儀なくされているウクライナの人々を保護し、安全を守る援助活動が可能となります。どうぞ、これからもウクライナの人々をご支援ください。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は寄付金控除(税制上の優遇措置)の対象となります。

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