学びという、ライフラインを届ける。
こうした支援は、皆様をはじめ世界各地からのご寄付で実現しています。
公開日 : 2024-07-26
避難を余儀なくされ、学ぶ機会を失いやすい状況におかれている子どもたちを支えてくださった皆様に感謝の気持ちを込めて、UNHCRの教育関連の最新の取り組みをお知らせいたします。
ウクライナ:メトロにある僕らの学校
子どもたちの教育を継続するためにハルキウ市当局が主導して地下鉄に学校を開校しました。UNHCRはトイレを修理するための建材を提供。同国では学校の改修などを支援しています。
2022年のロシアの軍事侵攻以降、ウクライナでは360以上の教育施設が破壊され、約3000の教育施設が被害を受けています。学びの機会が危ぶまれているなか、安全な環境で対面授業を受けることのできる学校は、子どもたちが切に必要としている空間です。
チャド:間に合わせの教室。それでも、また学校に行けることがうれしい

看護師の母親の影響で医師を目指すようになったイスラさんの好きな教科は、算数と自然科学。家族と一緒に、戦闘が続くスーダンから隣国チャドへ逃れてきました。奇しくも同国のファルチャナ難民キャンプには、彼女が到着する数日前にこの小学校ができました。「また学校に行けることが嬉しいです」と、イスラさん。黒板を見つめる表情も真剣そのものです。
現在、1300人以上のスーダンの子どもたちがここで学んでいます。スーダンの紛争が昨年4月に始まって以来、今年7月時点で61万人以上のスーダン難民がチャドに到着しており、その約85%は女性と子どもです。
ケニア:広がる学び、つながる喜び
教育プログラム「インスタント・ネットワーク・スクール」は、良質なデジタル教育と難民や受け入れコミュニティをつなぐこと、子どもたちのデジタルスキルの向上などを目指しています。ケニアのカクマ難民キャンプで学ぶ8年生のマネイさんとカクさんは、タブレット端末を使いながら学んでおり、デジタルコンテンツを通じて、世界とつながる喜びも感じています。
「チェスクラブを通じて、ほかの国の人たちとつながって交流することができます」 と、カクさん。子どもたちは、どこにいても学ぶことができ、世界とつながる方法があることを体験中です。
アフリカ6か国で実施している「インスタント・ネットワーク・スクール」は、2026年までに難民や受け入れコミュニティの子どもたち50万人に同プログラムを提供することを目指しています。
アフガニスタン:南部カンダハールにソーラー発電の学校を開校

基本的な設備さえ整っていない環境で学んでいたカンダハールの子どもたちが、UNHCRとパートナー団体の支援により、新しくできたソーラー発電の学校で勉強できるようになりました。
3月、2階建ての校舎に16の教室を備えた学校の落成式が行われました。この学校はUNHCRが指定する帰還・再統合の優先地域にあり、同地域には難民や国内避難民の家族が多く住んでいます。
エクアドル:学校や地域と協力し、教育のバリアをなくす

エクアドルは寛大な教育政策をとっており、立場にかかわらず、すべての国籍の子どもたちが学校に通うことができます。しかし、難民や移民の子どもたちは、書類の欠如や差別、コミュニティ内のリスクの増加、必要なものを購入するための資金が不足していることなど、さまざまな問題を抱えやすいのが現状です。UNHCRとパートナー団体は、こうした障壁をなくす一環で支援に尽力しています。
たとえば首都のキトで180人以上の教師、スクールカウンセラー、生徒と協力し、子どもたちが学校に通い続けられるようトレーニングを行いました。同国では、学校での統合を支援するためのアプローチを2019年以降、250以上の学校で実施しています。その一環で行われている放課後プログラムもあり、ともに学ぶうえで重要な役割を果たしています。
教育は、子どもたちにとって、決して欠かすことのできないものです。避難を余儀なくされた子どもたちが教育を受け続けることができるよう、UNHCRは今後もさまざまな支援を実施していきます。どうぞ引き続き、学ぶ機会を失いかけている子どもたちにご関心をお寄せいただけますよう、よろしくお願いいたします。
UNHCRは紛争や迫害、そして自然災害等、人道危機によって故郷を追われた人々の命と生活を守るため、こうしている今現在も世界各国で難民・国内避難民等への救援活動を続行していきます。「国連難民サポーター」の皆様による毎月のご支援により、UNHCRは常に救援物資を備蓄し、緊急事態に対応できるだけではなく、学校教育や自立支援といった長期的な支援を進めることができます。ぜひ、毎月のご支援、または毎月のご支援の増額をご検討いただければ幸いです。