ニュースにならない難民危機

あなたは、この問題を知っていますか

公開日 : 2024-06-05

ウクライナや中東での戦闘が日々ニュースで取り上げられる一方で、世界には関心が向けられていない難民危機が多くあります。世界に見過ごされ支援が届かない中、多くの罪のない人々が家を追われ、今こうしている間にも、命の危険にさらされています。

コンゴ民主共和国

両腕に双子の赤ちゃんを抱えるワマリアさん(38歳)は、北キブ州の戦闘を逃れ、7日間歩き続けて国内避難民キャンプに到着したばかりです。北キブ州と南キブ州では戦闘により、2024年1月以降38万人以上が避難しています。「平和がなければ、私の2人の赤ちゃんがどうやって生きていくのかすら分かりません。私は何も持っていません。夫は避難の途中で亡くなりました。私の希望はこの子どもたちだけです。」

ロヒンギャ難民

ミャンマーでの迫害のため、長年避難を強いられているロヒンギャの人々。過酷な避難生活のため、2023年は命がけで海を渡ろうとする人々が約4500人に急増。海上での死者、行方不明者は569人に。約70%は女性と子どもで、航海では水や食べ物も十分になく、性暴力や搾取等の被害も発生しています。UNHCRは航海の危険を周知し、救出された難民の保護活動や難民キャンプの状況の改善など包括的に支援しています。

モザンビーク

2024年2月、モザンビーク・チウレ地区の住んでいた村を襲撃され、逃れてきたセシリアさんと娘。住居や学校、保健センター、宗教施設などが破壊され、近隣の地区を合わせ7万人以上が家を追われました。モザンビークは、武装集団による暴力や気候変動のため70万人以上の国内避難民を抱えており、すでに危機的な人道的状況がいっそう悪化しています。

アフガニスタン

40年以上の紛争、干ばつや地震、情勢不安等により世界で最も難民を多く出している国の1つ。2023年9月以降、パキスタン政府の方針を受け難民57万人以上が帰還しており、突然家や仕事を失い困窮する人々をUNHCRが支援しています。2024年5月には、北部での洪水で240人以上が死亡し3390棟以上の家が壊され、緊急に支援が必要です。 ※2024年5月時点

忘れられたスーダン

2023年4月にスーダンで紛争が勃発して1年以上が経ちました。激しい戦闘、民家の焼き討ち、市民への暴力や性的暴行により深刻な被害が出ており、1万5000人以上が死亡しています。920万人以上が家を追われている一方で、国際社会から忘れられつつあるスーダンは、緊急に支援を必要としています。 ※2024年6月時点
避難を強いられながら、現場で写真を撮り続けるスーダン人の写真家がその思いを語りました。

「世界が真剣に行動しなければ」スーダンの写真家クヘイルさん

アラ・クヘイルさん
写真家 アラ・クヘイルさん

私はアラ・クヘイルといいます。スーダン・ダルフール出身の写真家です。あの日はごく普通の日でした。突然銃声が響き、戦闘が始まったのです。他の人々と同様に、数時 間で終わると思っていましたが、もう1年も経ってしまいました。ハルツームでは電気も水もなくなり、店も閉まりました。スナイパーが町に現れ危険になり、避難を決めました。窓からは銃撃戦や閃光が見え、戦場カメラマンになることもできましたが、私の関心は人間的なものにあり、戦争より人々を撮りたいのです。多くの人々を思い出します。2400キロの距離を逃れてきた双子の姉妹はまだ12歳でしたが、母親が心配しないよう苦しみを懸命に隠し気丈にふるまっていていて、その強さに尊敬の念を覚えました。

ハナさん
子ども2人を失ったハナさん

中でも忘れられないのはハナさんです。2012年に南スーダンからハルツームに逃れてきた彼女は、再び家を追われ、行先を転々としました。聞くのが最もつらかったのは、彼女が1週間に満たない期間に、2人の子どもを続けて失ったことです。彼女の表情と声から、極限のトラウマの中で苦しんでいることを感じました。支援を必要としている人々の写真を撮ることは常に難しいことです。最終的に、いわば個人の領域を侵すような、とても個人的な質問をしなくてはなりません。しかし、そうすることにより、彼らの物語を知ってもらうことができ、彼らを助けることにもつながるのです。

動画:スーダン人写真家 アラ・クヘイルさんの物語

墓地
スーダンの難民キャンプの墓地

戦闘地域に暮らし、身の回りで戦争が起こっているなんて、本当に狂気の沙汰です。800万人以上が家を追われているのです。子どもたちは学校に通えず、医療も受けられず、人間としての基本的な生活もままならない。それに1年も耐えているのです。もし世界が真剣に行動しなければ、スーダンの状況は一層悪化するでしょう。私の写真が、紛争についてではなく、紛争で影響を受けている人々について話し合う助けになることを願っています。

世界の無関心に、難民支援の現場は苦しんでいます。どうぞ、ご支援ください

「目の前で苦しんでいる人がいるのに、資金不足で支援を届けられない」。世界各地の現場で、UNHCRはこうしたジレンマに直面しています。ニュースで取り上げられていない国や地域にも、支援を必要としている多くの難民がいます。あなたのご支援は、必ず誰かの命を守り希望になります。UNHCRの難民支援に、どうぞお力をお貸しください。


スーダンに支援を

世界の関心が薄れる中で、多くの子どもが命を落としています。戦闘から逃れてきた人々、そして彼らを受け入れる地域に援助を提供するため、皆様のお力が必要です。どうぞ、今すぐご支援ください。

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