第18回難民映画祭・映画紹介『私は歌う ~アフガン女性たちの闘い~』
アフガニスタンの女性歌手の闘いと希望を描くドキュメンタリー 『私は歌う ~アフガン女性たちの闘い~』のご紹介
公開日 : 2023-10-18
アフガニスタンの終わりのない紛争の裏には別の戦いが存在する。
1990年代後半、タリバン政権は、政治的、宗教的対立で長い間混乱していた国内情勢を立て直したが、女性の教育、職業選択、公共の場での行動を厳しく制限し、女性の権利に深刻な影響を与えた。2001年、タリバンはアメリカ主導の有志連合によって政権を追われたものの、国内に強い影響力を持ち続けていた。
本作品は、そのような状況下、アフガニスタンの大ヒットオーディション番組「アフガン・スター」の審査員のアリアナ・サイードと、その番組に出演したザハラ・エルハムとサディカ・マダドガル の三人が女性の権利獲得の為に奮闘する姿を描いたドキュメンタリー映画である。
もう一方の主人公、ザハラとサディカは、アフガニスタン・ガズニ州出身で迫害を受けている少数民族ハザラ人だ。2018年8月にタリバンが首都ガズニ州を攻撃した際、数千人のハザラ人は避難を余儀なくされ、二人はパキスタンに避難した。その後、「アフガン・スター」で初の女性優勝者になることを夢見て故郷に戻る。そこで審査員のアリアナに出会い、女性の権利について考え、声をあげ始める。
このドキュメンタリー映画は、アフガニスタンの女性の強さと創造性、そしてタリバンの影響下で女性の権利のために戦い続ける人々を描いた作品である。2021年8月、一度は崩壊したタリバンが再び政権を握り、アフガニスタン国民は再び苦難を強いられている。アリアナも国外脱出を余儀なくされた。人々は長年にわたる紛争、経済破綻、干ばつ、冬の凍てつくような寒さの中、悲惨な飢餓に苦しんでいる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、国内の2,400万人と近隣5カ国のアフガニスタン人570万人、またそのホスト・コミュニティの人道支援のために奔走している。
※このブログ記事は、安田女子大学のJohn McLean准教授のゼミ生26名が、第18回難民映画祭をより多くの方に広めるためにボランティアで制作したものです。
制作:安田女子大学 英語英米文学科 通訳専攻:桑原桃香 村岡亜美 村岡佑夏 山下珠愛留
編集:安田女子大学 英語英米文学科 通訳専攻:小林千裕 神島奈津 橋本真和 神島奈津 中島萌々香 今村萌 樋口てれさ 川原奈津希 井上乃愛
参考:
• “アフガニスタン.” 国連UNHCR協会. Accessed August 13, 2023.
• “Aryana Sayeed: Official Site.” Instagram. Accessed August 14, 2023.
• “Afghanistan’s Heartbeat.” Barbud Music, March 1, 2022. .
• “And Still I Sing.” And Still I Sing | Human Rights Watch Film Festival. Accessed August 14, 2023.
• “Emergency Appeal: Afghanistan Emergency.” UNHCR. Accessed August 14, 2023..
• Leithead, Alastair. “South Asia | Afghanistan’s Pop Idol Breaks Barriers.” BBC News, February 25, 2008.
• “Official Website.” Afghan Star. Accessed August 14, 2023.
• “World Report 2022: Rights Trends in Afghanistan.” Human Rights Watch, January 13, 2022. .
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