第18回難民映画祭・映画紹介『ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦』
グスターボ・ドゥダメルの音楽が感動を与えるドキュメンタリー映画『ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦』のご紹介
公開日 : 2023-10-18
音楽という魔法によって人々を結びつけ、暗闇の生活に希望を与えるドキュメンタリー映画『ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦』が、この秋「第18回難民映画祭2023」にて本邦初公開される。この映画は指揮者グスターボ・ドゥダメルが、社会や政治の混乱に巻き込まれながらも、音楽活動を通して人々に感動を与え、困難に立ち向かっていく姿を描く。
その後、エーテボリ交響楽団やロサンゼルス・フィルハーモニック、パリ・オペラ座などでも音楽監督として活躍し、高い評価を得ている。現在はエーテボリ交響楽団の名誉指揮者としても活動中である。
ドゥダメルの出身国であるベネズエラは世界一の原油供給国であり、南米で最も豊かな国であった。しかし、2013年にマドゥロ政権が発足してまもなく、原油価格の急落によってインフレが発生、致命的な物資不足が市民の生活に深刻な影響を及ぼすことになる。市民の不満は高まり、2017年にはベネズエラ全土で大規模な反政府デモが勃発した。映画には、ドゥダメルの交響楽団の仲間が亡くなった悲劇も描かれている。
ベネズエラは、今もなお情勢不安が続いているため、多くの人々が生活物資の不足や経済困難に苦しみ、国外流出する人が後を絶たない。しかし、ドゥダメルは、国際的な評価を得たのちも地元を大切にし、楽団員が音楽活動を継続できるようにするなど、ベネズエラが明るい未来を取り戻せるよう尽力している。
音楽は社会に必要な要素として重要な役割を果たしているとドゥダメルは語る。音楽は、人々に一体感や調和、愛を伝える力を持ち、コミュニティ全体を一つにまとめる。ドゥダメルの音楽は、国境を越えて人々の心に響き、困難な状況に直面している人々に癒しと勇気を与えている。
この映画は、音楽を通して難民問題への理解を深めるとともに、社会の中で音楽がいかに重要な存在であるかを再認識させてくれる。世界各国で起きている現実に目を向け、身近な問題として受け止めてもらいたい。
監督のテッド・ブラウンは2023年全米脚本家組合賞(WGA)の長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた。
※この記事は、安田女子大学のJohn McLean准教授のゼミ生26名が、第18回難民映画祭をより多くの方に広めるためにボランティアで制作したものです。
制作:安田女子大学 英語英米文学科 通訳専攻:石本日和 木原菜歩 蔵本菜月 梶村日和
編集:安田女子大学 英語英米文学科 通訳専攻:小林千裕 大高美月 橋本真和
参考:
• “プロフィール: グスターボ・ドゥダメル: ソニーミュージックオフィシャルサイト.” グスターボ・ドゥダメル | Sony Music. Accessed August 14, 2023.
• “ベネズエラ.” 国連UNHCR協会. Accessed August 13, 2023.
•“年俸3億の天才指揮者ドゥダメルが語る「至高の音楽が生まれるまで」: 定番の「第九」にも魔法をかけて...” クーリエ・ジャポン, January 21, 2019.
•Bugbee, Teo. “‘¡Viva Maestro!’ Review: A Documentary in Need of a Conductor.” The New York Times, April 7, 2022. .
• Dudamel, Gustavo. “A Better Way for Venezuela.” The New York Times, July 19, 2017.
• “Official Website.” Gustavo Dudamel. Accessed August 14, 2023.
• “Review: Gustavo Dudamel in Venezuela Makes for a Riveting New Documentary, ‘¡Viva Maestro!’” Los Angeles Times, April 8, 2022.
•“Venezuela Situation.” UNHCR. Accessed August 14, 2023.
• “¡Viva Maestro! Awards.” IMDb. Accessed August 14, 2023.
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